劇場公開日 2010年10月23日

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「ドリューらしさ全開!エッジの効いたブラックなラブコメ☆」遠距離恋愛 彼女の決断 めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ドリューらしさ全開!エッジの効いたブラックなラブコメ☆

2010年12月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

これはもう!!!
さすがドリュー!!という、ちょっとブラックで
がっつりエッジの効いた極上のラブコメです。
あ、ただしキワキワのシモネタ満載なので、
そうゆうのがダメという方にはおすすめいたしませんが

ドリュー演じるエリンは、ウェイトレスをしながら大学に通い、
新聞記者を目指している30女子。
「20代の頃は恋愛に失敗して、人生のスタートが遅れた」という設定は、
いろいろ紆余曲折があって、
フツーなら一番良い時期に辛酸を舐めたドリュー自身の姿と重なります。

そんなオトコ運の悪そうなドリュー…じゃなくてエリンが出会ったのが
レコード会社に勤めるギャレット(ジャスティン・ロング)。

バーに置いてあるゲーム機から生まれた、
ほんの一夜の関係のつもりだったのに、
恋に奥手ではないけれど、率直過ぎるゆえに不器用で
恋愛ベタな二人の相性はバツグン。

ただ、それぞれこれまでにイロイロ痛い思いをしているゆえに、
慎重になったり時に疑心暗鬼になったりしながらも
少しずつ距離を縮めていきます。

…って、実はこの二人、実生活でも恋人同士なのですよね。

なので、デートをしているシーンの幸せそうな笑顔は、
演技なのか、本当なのかと思ってしまうほどナチュラルでリアル。
観ているほうの心まで和むような、幸せオーラ全開です。

そして、この二人、音楽オタク、映画オタクという共通点で
つよーく結ばれているのですが、
一番笑ったのは、ギャレットの部屋に飾ってあるポスター。

貼ってあるのは、なんと超ベタな『トップガン』

「なんで??」というエリンの(もっともな)質問にギャレットの答えは、
「あの“ホモエロチックなところがたまらない”」と。

いやーーーー、わかってる!!!
っつーかこのヒネクレっぷりがたまらない!!!

三浦しをんさんの小説なんかもそうだけれど、“男同士の友情”には
意識するしないにかかわらず、
ちょいBL的要素が入ってるものなのですよーーー。
(「いや、違う!!」と言い張る方は、
ぜひ吉本隆明さんの『悪人正機』をご一読くださいませ)

エッジが効いたラブコメでいながら、
あのエンディングといい、やっぱりドリューの作品は
気持ちのいいフェミニズムが貫かれているなあと実感しました。

めぐ吉