「だからハッピー!」アーサー・クリスマスの大冒険 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
だからハッピー!
「ウォレスとグルミット」などで知られるアードマン・スタジオによるCGアニメ。
クリスマス・イヴ。サンタとそのエリート長男スティーヴ、妖精たちは、超ハイテクシステムで一晩で世界中の子供たちにプレゼントを配っていたが、ミスで、一人の少女に届いていなかった。諦めたサンタとスティーヴに代わって、ドジっ子次男アーサーがプレゼントを届けようとする…!
良質のアニメーション!
夜が明けるまで2時間を切った。プレゼントを届ける事が出来るのか? …ところが、トラブル続出。
ハラハラドキドキの冒険と笑いのバランス絶妙。
勿論最後はハートフル。
クリスマスに見ていれば、もっと格別だったろう。
サンタと言えばソリにトナカイだが、本作では、エリート長男スティーヴが開発した超ハイテク飛行船。まるで「アベンジャーズ」で“シールド”が所有する巨大空中挺。
プレゼントの配布の仕方も、「ミッション:インポッシブル」のように徹底管理・統制。
しかし、アーサーは、昔ながらのソリとトナカイで届ける。
これしか方法がなかったのだが、プレゼントを届けると共に、サンタを信じる心も届ける隠れテーマも感じた。
サンタ・ファミリーが一癖も二癖もある。
まず、現サンタはちょっと頼りなさげ。
長男スティーヴは次期サンタの座を狙っているが、子供嫌いでデータと現実主義。
先代サンタのおじいちゃんは頑固で毒舌。アーサーと共にプレゼントを届けに出発するが、実は…。
優柔不断、シビア、自分の為…何だかガッカリしそうなサンタ・ファミリーの素顔の中で、アーサーだけは違う。
クリスマスなのにプレゼントが届かないその女の子を心配し、無茶な冒険に出る。サンタの面子とかではなく、たった一人の子供の為に。
アーサーは弱虫で、ドジで、頼りなく、ここぞという時に及び腰。
でも、サンタに最も必要なものを持っている。
プレゼントが届いた子供たちは皆、笑顔に。
そんな子供たちを見て、サンタ・ファミリーも笑顔に。
だからハッピー。