劇場公開日 2010年5月15日

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「私は楽しく見られました。」エンター・ザ・ボイド aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5私は楽しく見られました。

2010年6月6日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

知的

フランス映画界の鬼才ギャスパー・ノエがニューヨーク、ラスベガスと並び世界で最も美しい3大都市の一つとしてあげるTOKYOを舞台にして撮影された。
TOKYOが選ばれたもう一つの理由は、ここが主人公オスカーが巡るスピリチュアルな心の旅を受け入れることができる進化と精神性が共存する街だから……。
それはどうだかなぁ。
ただ、オスカーが友人から借りた「チベット死者の書」にある仏教的輪廻転生を描いた映画なので、丹波哲郎さんの大霊界を知る日本人には受け入れやすいかな。

主人公オスカーは、狭い路地が入り組み、ネオン輝くTOKYOの繁華街の片隅で麻薬の売人に身を落としてる。
売人になったのは、幼いころ離れ離れになった妹をTOKYOに呼んで一緒に暮らすため…と心根はひ弱なくらい優しい奴なのだ。

オスカーの目を通して描かれるため、オスカーの顔や姿が見られるのは、鏡に写るときだけ。
オスカーがクスリをやってる最中なので、窓の外のネオンと相まって万華鏡のような画面が続き…大丈夫かな、この映画と思ったが、オスカーが射殺されて魂が抜けた後は、オスカーの妹や友人たちの様子が描かれたり、幼いころからの回想シーン(幼い妹と一緒に体験した忌まわしい出来事も)が入るなど、映画らしくはなったが、ちょっと違う?
魂となったオスカーの目線で描かれるので、ビルの屋上を飛ぶように移動し、壁や仕切りをすり抜け天井から眺めるような光景になってる。
ビルの屋上と地上の2台のクレーンを操作した神野彰氏と「アバター」にも参加したフランスの世界的VFX工房BUFの特殊撮影技術による映像。

パス・デ・ラ・ウエルタ演じる妹リンダは、友人のアレックスに言い寄られたり、日本人ヤクザが自分の女にしたりとモテモテだったが、ちょっとふけ顔で美人には見えなかった。
エログロシーンもいっぱいあります。
私は楽しく見られました。

aotokage