「その時代の人情の半径の面積を求めるのに適した映画やと思う」幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
その時代の人情の半径の面積を求めるのに適した映画やと思う
ポスターの画で既にオチがわかりきっているベタベタな展開やのにラストで大号泣してしまったのは、
《人間は、笑いながら泣きながら相手の過ちを許し合う生物》
である事をストレートに投げつけてくるからに尽きると思う。
他人を思いやる純粋な信頼関係が細かいプロセスを積み重ねて成り立っているからこそ、武田鉄矢は高倉健にクルマの御礼を催促しないのである。
人の絆を描く半径が外へ外へ広がっていたのをためらいなく粋にしていた時代のピークと云える作品ではなかろうか。
今はみんな半径が中へ、中へ狭まっているもんねぇ…。
だからといって、人見知りの激しい私やったら、あない胡散臭い運転手が乗ったファミリアなんて絶対乗りたくないけどね…。
では、最後に短歌を一首
『償いの 旅路を飾る ハンカチは 変わらぬ愛の 誓いになびく』
by全竜
調子に乗ってもう一首
『北の空 未練に揺れる 罪の果て 愛す人待つ ハンカチの色』
by全竜
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