「俺にはこれしかないのさ」エクスペンダブルズ あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
俺にはこれしかないのさ
2010年アメリカ映画。103分。2010年の50本目の作品。80年代に一世を風靡した筋肉マッチョ俳優たちがスタローンの作品に集結したのが話題だった作品。本作には当時カリフォルニア知事だったシュワちゃんまで出演していた。
内容は;
1、公式では解決できない政治問題の解決を専門にする「捨て石」集団は今日も大活躍。
2、そんな彼らに南米の軍事独裁国家をぶっつぶしてほしいとの依頼が、現地を調査する。
3、そのガイドをしてくれた美しい女は、実は将軍の娘だった。
どうして本作を観たかというと、用事までの時間をつぶすためでした。
一言でいうと、むさくるしい。還暦を過ぎたスタローンは相変わらず上半身裸になり、豪華キャストをそろえているが一番おいしい所はしっかりと持って行く。ベタに次ぐベタベタな展開。普通ならそのまま寝てしまいそうな映画です。
ところが、途中からけっこう引き込まれた。むさくるしい男たちが子供みたいに暴れ、敵が倒される描写はけっこうスプラッター状態、そんな映画なのだけど、なぜかさっぱりしている。そんな奇妙な摩訶不思議さが本作にはありました。
90年代に入ってからのスタローンの俳優キャリアは散々だったと思う。ヒットせず、酷評され、ラジー賞の常連。途中で演技派になってみたり、コメディなんかにも手をだしたがことごとく裏目に。一時なんか、「あの人は今?」みたいな状態でしたもんね。
本作の「さっぱり」さとは、そんな迷いからスタローンが吹っ切れたゆえじゃないでしょうか。もう俺にはこれしかないんだ、と言わんばかりに気持ちよさそうに大暴れして、しまいには若いおねえちゃんの手をひっぱって走って逃げる。彼がやりたかったことすべてを本作で実現してしまったかのように。
そういった意味もあり、けっこう楽しめましたよ。ストレス発散したい男子は観るべし。
ちなみに本作でスタローンはラジー賞の監督部門にノミネートされたらしい。
どこまでも期待を裏切らないスタローン、これからもこっそり応援します。