ミックマックのレビュー・感想・評価
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銃弾
缶切りで開けたかのような頭の傷跡のバジル。弾を抜かなかったのも手術中に医師たちがコインで決めたことなのだ。家も職も失ったバジルは偶然声をかけられる。ホームレスかと思いきや、ちゃんとした廃品回収業で生計を立てていた6人。人間大砲のギネス記録、目の中に計算機があるような少女、軟体動物のような女などなど・・・
バジルは仲間になったばかりだというのに復讐に手を貸してくれる連中。その復讐の内容も二つの武器会社それぞれに仕掛をしてお互いに憎み合わせるもの。かなり平和的なんだけど、倉庫の爆発は際どかった(死者ゼロ)。映像はほとんど『アメリ』と同じ雰囲気。日本人の永田鉄男の才能が光る。
ピンチはあったものの作戦Bに切り替えて、偽の戦地で地雷や手りゅう弾で本音を聞き出す。飛行機に乗せる偽装工作も最高に面白い。そしてビデオに撮ってYouTubeに流すという流行の手法で復讐するのだ。胸がすくような気持ち良い復讐劇もいいもんだ。
『アメリ』の監督、予想通り、おしゃれでいたずら好きなコメディ なん...
『アメリ』の監督、予想通り、おしゃれでいたずら好きなコメディ
なんだけど今あたしが一番懸念している”武器輸出””武器商売”に対して
痛烈批判をしてくれていることにこの映画の価値を評価します!
ゆるーい感じがTwitterっぽくていいです(笑)
観たのは1ヶ月以上前だけど、今更ながら投稿。
ジャン=ピエール・ジュネ監督の作品。
ご存知、この人は「アメリ」の監督さん。「アメリ」を一度観ればわかるけど、この人の作品はストーリーを楽しむというより、編集というか演出というか・・作品全体の世界観を楽しむ作品が多いように思う。フランスのコメディタッチの映画はこのパターンが多い。この作品も同じ。よく考えれば、アメリカのコメディも同じか。。各国のユーモアセンスは微妙に違うので、その違い、世界観が受け入れられない人はこの映画も楽しめないだろう。
で、自分は「アメリ」好きなので、何の問題もなく楽しめました♪
ストーリーは単純。
ある事故で頭に弾丸が残ってしまった男「ミックマック」が、その銃を作った武器会社に復讐を果たす、というもの。
復讐と言うより「いたずら」に近いかな?だからこそ、1つ1つのいたずらの仕掛けや結果を楽しんで観れる。
映画全般通して、かなりゆるーい雰囲気。
何となくTwitterっぽいかも(笑)
音楽が郷愁感誘うからかな?古き良き映画を思い出す。「アメリ」もそうだった。
いたずらのツールとしてYoutubeが出てくるのが今っぽい。
こういう使い方は、Youtubeや日本では特にUstreamとかで、日常的に使えそう。
iPhone使ってリアルタイムでUstream配信とか、今なら携帯ツールで簡単に出来るので。スゴイ時代だねー。
何度も観たくなるような映画じゃないけれど、ちょっと気分が落ち込んだときとかに、少しだけ幸せ気分を味わうには良い作品。監督の次回作にも期待してます!
【反戦争をコミカル且つアイロニー要素をふんだんに盛り込んで描くジュネ・ワールドに魅了される。】
■個性豊かな登場人物たち
・バジル(心優しき、悪戯好きな青年。頭の中に・・が入ってしまい・・)(ダニー・ブーン)
・フラカス(人間大砲・・って)(ジャン=ピエール・ジュネ組の常連、ドミニク・ピノン)
他にも、ギロチン男、軟体女(強烈です・・)、言語オタク(オマール・シー:大ブレイク前です・・)、計算機・・
という多士済々の人々が、武器商人達を相手に、
■様々な作戦(の一部)
1.犬も走れば麻薬に当たる作戦
2.軟体女が潜む宅急便作戦
3.目覚まし時計仕掛けのハチ爆弾作戦
等を駆使して、様々なトラップを仕掛ける場面の数々と、ジャン=ピエール・ジュネ監督ならではの凝りに凝った小道具、意匠に装われた独自の映像美、世界観に思いっきり魅了された作品。
<ジャン=ピエール・ジュネ監督、早く日本で公開されるレベルの作品を作っておくれ・・。“天才スピヴェット”から随分経つぞ・・。>
<2010年9月11日 劇場にて鑑賞>
シルク・ドゥ・ガラクタ工房の愉快な復讐劇
サーカスの見世物小屋のようなゴミ捨て場に暮らすスリークスたちのドタバタ劇
ホームアローンのフランス映画バージョンみたいな感じ
基本的には話は楽しく進んでいくが最後のひと芝居の戦争被害にあった子供たちの写真にははっとさせられる
昔々隣り合ったお城に住む意地悪な王さまたちが…ではない今現実に起こっていることなんだと現実に引き戻される
改心してアイアンマンにならないなら痛い目にあうしかないだろう
発明家のおじいさんのカラクリ人形が素敵
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 終盤はかなり見応え有り。その分...
☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
終盤はかなり見応え有り。その分、中盤が重ったるい。
2010年9月19日 シネマスクエアとうきゅう
4.6
やっぱりこの雰囲気とても好きです。
2つの武器製作会社への復讐劇という、とても重たいテーマを扱っているのだが、全然暗くないくて、楽しめる。
主人公の悲惨な過去さえもコミカルで、まさにブラックジョーク。
コメディとしてふざけ過ぎず、暗くもない、この絶妙な感じが好きです。
ジュネ監督はものすごくテンポがよくて、他に無い不思議な世界観がたまりません。
ユーモラスに反戦争を描く、思った以上に真面目な映画だった。でもそんなことより単純におもしろかった。
軽いタッチの復讐劇
復讐がテーマなのに、
主人公の悲惨な過去も
敵の横暴さも復讐劇そのものも
コミカルな音楽とともに
人形劇のような軽さで描かれています。
その軽い雰囲気そのものが
とても見やすく、かつ引き込まれました
タッチが軽いからといって
心を動かされなかったという訳ではなく
ハラハラ感と痛快さはしっかり
味あわせてくれました。
逆にダークさが引き立ったりもして。
他では味わえない不思議な感覚でした。
コメディほどふざけてないのに
クライムほど物々しくない。
この絶妙なラインが
私には心地よかったです。
このリズム感
この映画はリズム感、音楽を、
楽しむことができる映画だった。
アメリの監督独特のこの感じ。
リズムやテンポも似たようなものだった。
激しく、なおかつもっと重く暗いような映画にすることもできるような内容を、軽くテンポもよく独自の世界観で表現されているように感じた。
私はこの雰囲気がすごく好き。
アメリの監督でしたか。
難しいことは言えないのですが、とにかくテンポ良く、愉快な仲間との大作戦遂行が楽しめて良かったです。
フランスらしいエスプリ(?)の効いたところもふんだんにあり、しかも、テーマはよく考えると、結構重い。
お子さん達にも楽しんでもらいたい。
イタズラ大作戦の顛末は?
ジャン・ピエール・ジュネの世界観は在りそうで唯一無二。
それはかつて絵本で読んだ様な、ある種、不思議な世界観。
言い換えればメルヘン。
彼の映画の手触りって、空想世界、イマジネーションをそのまま実写に投影したかの様な、ある種のファンタジーを帯びていますよね。扱う題材は幻想的ではないんだけども。
デリカテッセン然り、アメリ然り、今作も彼の『お家芸』炸裂だと思いました。
風刺や毒、世界の暗部、セックスさえも内在する、彼なりのダークなおとぎ話。
ダークでありながらカラっと笑えるし、カラっと爽やか。嫌味がない。
こういう無意味(語弊があるかも)な映画だってたまには必要です。
このカラフルな映像だってたまには視覚に浴びたい。
ドミニク・ピノンの顔だってたまには拝みたくなるものです。
ジュネの映画はそんな世界を体験させてくれる。
自分にとっては貴重な監督です。
ジャン・ピエール・ジュネの新作。待ってましたよー。
ジャン・ピエール・ジュネのA Very Long Engagementからもう5年も経っての作品です。
デリカテッセンからロストチルドレン、アメリ、エイリアン/リザレクションも含め全作品見ておりますが、本作品はロストチルドレンに近い雰囲気のファンタジーです。
ナレーションで進む話はアメリっぽいかもしれません。ジュネ風ユーモアと風刺を利かせ淡々と進む映画はいつもの流れで安心してみていられます。個性豊かなキャラ達にもう少し深みを持たせてあげればもっと良かったと思いますが。
あらすじは「頭に銃弾を受けるも一命を取り止めた主人公。銃弾は頭に入ったままで時折発作的なめまいが訪れる。憎き銃弾と父親を殺した地雷を作る会社をひょんなことから知り、復讐を奇妙な集団と試みるが・・・」といったところです。軟体女性が最高です。繰り返し無理な姿勢で登場。ジュネ節炸裂です。
一つだけ苦言を呈するなら、レイティングです。おいおい映倫。この映画きちんと見たのでしょうか?G指定っていうからうちの息子連れて行ったけど、普通にセックスシーンあるじゃないですか。米国ではR指定(18歳以上)ですよ?まあ、おもしろい映画だからいいですけどね。うるさい親なら抗議するんでしょうがね。ジュネの映画好きな人はそんなことしないけど。
おすすめです!
ブラック
テンポが速い速い。くるくる物語が進みます。奇妙な仲間と意外と住みやすそうな素敵な隠れ家。観ていておもしろい。小ネタにくすっと笑えれば、楽しい映画なのでは。。
ユーモラスに反戦争を語る、真面目な作品でした。
「アメリ」と比べると・・・
う~ん・・・「アメリ」以上のワクワク感を期待してたんですが、ワクワクもドキドキもなかったなぁ。イタズラももっと毒きかせてほしかったしどこで笑ったらいいのかそれこそわからなかったです。ラストも淡々としたものでした。ほかの出演者たちの個性が今回は薄い。ちょっと肩すかし。
面白かった。…様な気がする。
ジュネ監督と言うと、
琥珀色のレトロ近未来な画面と、
一回観たら顔を忘れない
純朴な濃いキャラクター達と、
ブラックな冗談の絶妙な配合で
笑いあり、ホロリあり。
なんか切なかったり、
ほのぼのしたり、懐かしかったりする…
そんな映画を撮る監督なのだ。
と、言うイメージを、
昔観た肉屋の映画と、怪力男の映画の
記憶の残り滓から、漠然と抱いていますが。
今作も、武器商人への復讐。
なんていう殺伐とした題材でありながら
さっぱりシリアスではなく、
その配合の妙から、
鑑賞後にほのぼの感を味わう羽目に
なりました。
アメリですっかりメジャーな感じ
となってしまったので、味をしめて
ずっとオドレイ・トトゥの映画を
撮るのではないか?と、
心配していましたが、
今回はドミニク・ピノンの映画
だったので安心しました。
否、ドミニク・ピノンは
主役ではありませんが、
ドミニク・ピノンの役柄が、
観ていてしっくりくる話しでした。
だいたい、ピノンはアメリや、
ロングエンゲージメントの時は、
どんな役で出てたっけ?くらい、
全く記憶にありません。
今作は、デリカテッセンや、
ロストチルドレンの頃ほどの
カルトな雰囲気は、ありませんが、
作風は幾分回帰されており、
ジュネはアメリ(か、エイリアン4)で
死んだな…と思っている
初期二作の狂的なファンも、
アメリでハートを鷲づかまれた方も、
均等に楽しめる内容になっているんじゃないか?
と、思うっす。
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