劇場公開日 2010年12月4日

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白いリボンのレビュー・感想・評価

全25件中、1~20件目を表示

4.0白が不気味に感じる

2024年10月24日
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怖い

STORYは第一次世界大戦前夜のドイツ北部のある村が舞台になっている。
この村ではプロテスタントの小さな村で不可解な事件が発生します。
裕福な男爵家族と教師、牧師の家族と農民と様々な家族を主体に描かれている。
事件の犯人は誰か?…

いや〜なんか胸糞すぎる作品です。
映像もモノクロで、ラストまで『嫌な雰囲気』が漂わせる。
そんなに酷い描写が無いが、父親の体罰や、暴力と親と子供の関係性を容赦なく酷く写し出されている。
常に閉塞感があり居心地が悪い感覚になる。

特に牧師と医者の存在は最低で、善人ズラした悪魔に近い存在だった。
後半に近づきこのモヤモヤしたものは何だろう?犯人は誰なのか?えっこれミステリー、サスペンス?と混乱するが、男爵の妻が別れを切り出すシーンで『この村に居たく無いと、悪意、嫉妬、無関心、暴力、迫害に満ちている』と。
そうか、自分はただただ見せられているだけで、謎解きも無しで伏線回収も無いんだと思ってしまう。

ラストの何事も無い映像が流れているのも変に納得でき、子供達はどんな大人になってしまうのか?なんて考えてしまう。恐ろしい映画だった。

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アキより

5.0狂ってますね

2024年10月18日
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見た当時には感想とか書いたりして無かったので思い出しながらの感想です!
最後に誰が犯人とか一切言わないが
状況証拠だけで誰がやってるのか分かりますからね!
あの子供たちがいずれナチスとかになってるんだろうな!
 しかも終始漂う不穏な空気感とかヤバ過ぎるんよ。
ハネケ作品は隠された記憶とか愛アムールとか逆ディズニー作品ばかりで信用しかできません(愛アムールや白いリボンより怖いホラー映画とかほとんど無いってくらい怖い作品だったりするし)

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お主ナトゥはご存じか2世

4.02000年代につくられた映画とは信じられないぐらい 50年代とかに...

2024年2月9日
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2000年代につくられた映画とは信じられないぐらい
50年代とかに撮られた映画に見える。
憎悪は憎悪を育て、抑圧はより強い抑圧を産む、人間とは愚かだな。とゆう感想。
ハネケ好き。

配信で鑑賞

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madu

3.5いつでもハネケは意地悪い

2023年10月9日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

入り乱れる登場人物と話の筋を把握する集中力が最大限に消耗されながら物語にハマってしまう理由は推理モノとして観てしまう面白さが、それは勘違いで回収できる伏線すら貼られてはいなかった、そんな類の映画ではなくモヤモヤしてイライラする胸糞悪い感情で一杯に爆発寸前、それがミヒャエル・ハネケの作品であり苛つきながらも癖になるのが毎度のことで!?

多分、そうだろう、こうだろうって位で謎にされている部分の真実は明かされない、とにかく皆が真っ黒で正義感丸出しの教師ですら行動が有難迷惑でイライラするし、まだ純粋な子供たちだけに救われる、少年、少女も残酷性が際立って普通の顔して大人になってしまう、外面の良い真っ黒な大人に。

タル・ベーラの『サタンタンゴ』みたいな雰囲気でイカれた村の危うい閉塞感に『ウィッカーマン』は言い過ぎか、子供を中心にしてしまったら『小さな悪の華』とか『妖精たちの森』だったり『プティ・カンカン』みたいにも、本作だけに限ったことではないが後味の悪いハネケに対する嫌悪感で胸糞悪くなりながら映画自体は楽しめてしまう、嫌な感じは拭えないまま。。。

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万年 東一

5.0年老いた話者と白黒映像がもたらす異化効果

2023年3月24日
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202303 555
202003 44?
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書籍『ミヒャエル・ハネケの映画術』より、一部

例えば、経済危機のように、時代の空気から主題を選び、それを例示する物語を構想する脚本家たちがいますが、私のやり方は違います。私の場合、まず何かに驚くか感動することが必要で、それが私の思考を突き動かしていきます。『白いリボン』に関しては、白黒の舞台の中で、北ドイツの、金髪の登場人物達で構成されたコーラス隊のことが思い浮かんだのです。バッハのコラールを歌う子どもたちが、日常生活の中で、自分たちの説いている思想を裏切る人々を罰していく。それが出発時のアイデアです。たぶん、これを育んだのは政治的な考えです。しかし、目的は政治的な映画をつくることではなく、物語を語ることでした。

北ドイツを舞台にする前は、教育問題に興味をもっていました。その分野や農民生活の本をたくさん読みました。こうした読書は私を夢中にさせ、何よりもこの物語を豊かにしてくれました。

(視覚的な様式を見つけることについて)アウグスト・ザンダーの写真は昔からよく知っており、それこそが到達すべき理想のようなものでした。だから、ポスプロの作業で、ロングショットも含めて、すべての顔をなぞってより鮮明にしました。非情に細かな作業です。例えば、ドクターである父親の落馬事故のあと、階段で娘のアンナが弟ルドルフを慰めようとしている冒頭のシーンでは、娘の顔を涙が一筋流れるのですが、よく見えなかったのでコンピュータで再処理しました。

(モノクロ映像を選択したことについて)この時代については、白黒写真を通してしか知られていないので、白黒映像で当時を再現することで最初から作品に説得力を持たせることができます。しかし、もうひとつの理由があります。異化です。白黒はあらゆる自然主義的なアプローチを封じる距離を作り出します。
自然主義から離れるというのは、私たちのような企画において一つの義務です。なぜなら、時代をかつてのように再現するというのは厳密にいえば不可能だからです。白黒映像は、私たちは擬似現実の中ではなく、創造物の中にいるのだということを絶え間なく思い出させてくれます。

話者を入れるアイデアは最初からありました。白黒の使用と同じ理由です。物語られる内容に対して、距離を作り出すことができました。
(断言されたあらゆる真実の相対化、について)私はいつも観客の不信をあおるように立ち回っています! とくに本作では、子どもたちに生じるかもしれない罪責について距離をもって考えることが最も重要です。大人になった彼らの全員が、必ずしも強制収容所でユダヤ人の大虐殺を行うわけではないのですからね。しかも、登場人物はそれぞれに大きく違っていて、全員がネガティブな存在というわけではまったくありません。
年老いた声音は、さらなる異化効果を生み出しています。話者は、ナチズムや、おそらくはバーダー=マインホフのようなさまざまな形の過激主義を体験しています。そのような新たなイデオロギーが未来に再来するかもしれないことへの警告として、この映画に現れます。

副題「子どもたちについてのドイツのある物語」を、ドイツ語圏以外では訳されないようにしたのは、外国の観客たちに、本作がドイツ固有の問題を扱っていると思わせてしまうのを恐れたのです。ドイツ語を知らない人々にも、この寓話が彼らの国でも同様に起こり得たのだと考えられるようにしたかったのです。
この副題はジュッターリーン体で表記することにこだわりました。この書体は、私の祖母が使っていて、1930年代初頭なで、ドイツとオーストリアで規範とされていたものです。今日、この書体は完全に廃れてしまいました。私はまだ読めますが、書くことはできません。

(作中で起こる悪事について)緊張を高めるため、観客が犯人捜しにやっきになるように、多様な事件や事故で、毎回、不意をつくことが必要でした。確信はなく、推測だけが積み重なっていくシチュエーションを思いつく必要がありました。しかも、偶発的な事故が起きていた可能性もあります。それらの事件や事故を混ぜ合わせることによって、すべてが必ずしも解明されるわけではない、この現実世界に近づけようと思ったのです。

(物語に音楽的なリズムをもたらすことに長けた感覚について)リズム感の問題で、私にはあるかないかなのです。説明するのは難しい。学生たちを見ていると、それがすぐにわかります。生まれながらに自分の脚本を構造化するセンスを持っている学生はたちまちにわかります。しかし、実践により習得される俳優の演出指導とは反対に、リズムというのは特殊な才能を必要とするのです。それは歌と同じで、うまく歌えるか下手かです。うまく説明できませんが、あるシーンを書くと、すでにスクリーンでどう表現すればいいか私にはわかっています。

教師が足踏みオルガンで弾いていて、男爵夫人に解雇されたエヴァに中断されたのはシューマンのピアノ曲です。それから、彼女を元気づけるために弾いたのは、バッハの《シチリアーノ》。
男爵夫人と家庭教師が、ピアノと大型のフルートを使って演奏したのは、シューベルトの歌曲《美しき粉屋の娘》の変奏曲の一節。
村の収穫祭の時のダンス音楽はみな、当時のその地方のダンス曲で、私たちは現地でその手書きの楽譜を見つけました。もともとヴァイオリンのソロ曲用だったのを、複数の楽器を使ったオーケストラ用への編曲という点だけは手を加えさせていただきました。

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HAPICO

3.0第一次世界大戦前の帝政末期、革命前夜ドイツを象徴的に描く

2023年2月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1 テーマ
映画の冒頭、語り手の教師が「あの奇妙な出来事こそが当時の我が国そのものなのだ」と、作品のテーマを提示する。

「我が国」とは、プロイセンを中心とする22の領邦国家と3自由市によって構成される連邦国家、ドイツ帝国のこと、年代は1913年で第一次世界大戦の直前である。

ドイツ帝国は国家統一の遅れにより工業化で英仏に大きな差をつけられていたが、プロイセンがフランスに勝利して1871年に帝国を成立させて以来、急速に工業開発等を進め、この頃には世界でトップクラスの経済力を獲得し、人口も大きく膨らんだ。

経済成長を享受しながらも帝政に対する不満はくすぶり、最終的には第一次大戦の戦況悪化の中で1918年のドイツ革命による帝政廃止、ワイマール共和政につながっていく。1913年とはひと言でいえば、帝政末期から革命に続いていく激動の時代だ。
このドイツ近代史の激動期を、同国の架空の村で起こる複数の事件を通じて描くことが作品のテーマである。

2 村の登場人物の意味するもの
主要な登場人物は、男爵、家令、小作人、医師、牧師、教師及び彼らの家族だが、彼らは当時のドイツ社会のさまざまな階級を象徴している。
具体的には男爵や家令は封建貴族、小作人は農民、牧師は僧侶、医師、教師はインテリを表す。

男爵は夫人と諍いが絶えない。欧州を支配し、諸国を切り分けて支配していた貴族階級も末期症状なのである。
小作人は男爵に不満を募らせており、貴族階級の支配体制は揺るぎつつある。
牧師はもはや人を導く力はなく、自分の子供にさえ背かれている。宗教界の弱体ぶりを示しているのだろう。
医師は倫理的に腐敗しきっており、教師は時代の流れになすすべもなく後追いするだけ。
最後に、牧師の娘クララをリーダーとする子供たちは現体制に不満を持ち、やがて革命を担う新世代である。

そして一歩足を踏み込めば、封建貴族も宗教界も知識人も農民もすべて内紛を抱えており、これらの隙をついて革命グループが陰謀を企て、社会不安を醸成していく…それが映画の描きたかったドイツ激動期の雰囲気なのだろう。

3 拭えない書割感
映像は美しいモノクロで当時の日常生活を豊かな質感で描いており、観客を惹きつける力がある。
しかし、入れ替わり現れる登場人物と次々に発生する奇妙な出来事に振り回され、何が何だか分からないままラストを迎える、といった感じで終わる。

よく分からないのでもう一度見直すと、上のような登場人物の役割が何となく伝わってくるのだが、いかんせん肝心のキャラクターたちに魅力が乏しいし、「出来事」も何故、どのように発生したのか説明もないまま、最後までもやもやと納得できない形で投げ出されるだけなのである。
そこで、登場人物たちに象徴の割振りをしてはじめて映画の意図が納得できる。ということは、頭の中で拵えた書割から脱していないのではないか、という気がする。

また、ほとんど何一つ明るさのない内容なのだが、ドイツ経済が拡大して生活が向上するという希望や、欧州列強に伍した喜びがまったく描かれていないのは何故なのか。逆にドイツ革命の予兆に明るさが見えないのは何故か。これは日本でいう自虐史観と同類なのかもしれないと思わされた。

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徒然草枕

3.0もう最悪

2022年12月22日
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これは批判じゃなくて、
本当に最悪なものしか描かれていないから

陰惨な事件と
クソジジイたち

すべてが隠され公にならない
リアルすぎて怖いのか、
一人一人の心理が怖いのか

あと、あんなに真っ向から人に「死ね」
などという大人が出てくる映画も珍しいですな

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JYARI

5.0日常の不穏

2022年8月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

 ノンフィクション的な演出によって、 フィクションの世界にあえて鮮明な現実感を持たせようとしているかのようだ。 ミヒャエル・ハネケ監督の作品に特有の生々しいインパクトが、このモノクロ作品では特に際立って見えた。

 医者が歳をとった妾を罵倒する場面など、観ていて不快になるほど惨たらしい。 しかし、作品中に登場するそうした類のシーンはいずれも、 実際に誰もが経験している日常の一コマではないかと思う。

 力関係が上の男が、恨めしそうな表情で耐える女に向かい、憎悪を込めた蔑み言葉で傷つけようとしている場面。
確かあれは、両親の夫婦喧嘩で見たような…。

 いやいや、あれほど酷くはなかった、と言いたいところだが、実はそう思いたいだけで、 日常生活における争い事の類いは、 まずあのシーンに等しい。 人は、都合の悪い現実を客観的に見せられると、無意識に心を逸らすものなのだ。

 平和で清浄に思える日常生活、しかし、その底には、醜悪な生活の垢が澱む。

 我々は自分の人生を、美しく、楽しく、幸せな面だけで彩られているようにしか見ないし、記憶しようともしない。 しかしその裏では、直視されず処理もされない生活の垢が溜まり続けていく。 そして、堆積した沈殿物は容易に巻き上がり始め、 やがて生活全体の透明度を失わせていくのである。

 歴史の専門家が、「近年の世界を取り巻く状況は、第一次世界大戦前の状況に酷似している」と言い始めたのは、何年ぐらい前からだっただろうか。 以来、世界は確実にキナ臭さを増している。

 この作品が描く小さな村の不穏な日常は、人間社会が不気味な運命へ落ちてゆく時の、リアルな前触れを写し出しているのではないだろうか。

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Garu

3.0あまり好きくありません。

2020年6月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

暗いね。
時折り寝てしまう。
1913年のドイツの片田舎。
ある教師の回想で始まる。
地主のお前らに平和はない

言葉が、やらしいね。
子供達はなんか知ってるんかな?
教師、牧師も
なんか
嫌やな!

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大阪ぶたまん

3.5もう一度見たい。不気味。

2020年4月13日
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もう一度見たい。不気味。

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鈴

白いリボンは

2019年5月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

白いリボンは無垢の意味だが、これは罪を犯した印。
第一次世界対戦の始まる前のドイツの北の小さい村の話。
嫉妬、DV, 近親相姦、暴力など、こういう環境が、ナチスを台頭させたんではないかと感じた。
もし教師とガールフレンドの二人がここに登場しなければ暗黒。

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Socialjustice

1.0オギャー

2018年7月27日
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世界の終わりを描くだけあって、鬱屈とした画面にぬるりと侵食される気持ち悪さから解放されない。

ヒトラー誕生のその時、あなたは何を観ていたのだ?

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たろっぺ

2.0この監督は苦手かも

2015年6月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

「ファニー・ゲーム」(アメリカ)を観たのが初Haneke。すごい衝撃だった。しかしそれ以来どうも面白いと思えない。これって、「隠された記憶」と何が違うの?

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ちかし

4.0ホラー映画が、かわいく見えちゃうほどの寒気

2011年8月17日
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鑑賞方法:映画館

怖い

寝られる

重いというよりも、
気味が悪いんですけど。。。
エンドロールが流れ始めて寒気しちゃったよ。。。

一言、
不気味以外の何物でもありませんでした。

余程、
ホラー映画のほうが怖くありません。

恐怖の対象が、
不明確なため、想像の中で、
負の妄想が、はち切れんばかりに
膨らんでしまいますので、精神衛生上も好ましくない。

“人間不信”

自分が人間でありながらも、
自分以外の人間を虐げる。ある意味、
自分が自分自身を特別扱いしてしまう。
もっと極端に言ってしまえば神格化してしまう。

生活環境の世界が狭く、
且つ田舎の村で孤立をしているため吐け口がない。

だから、一般的に見れば、
“悪”とされることをしてしまう。

さらに、性質が悪いのは、
“悪”と認識しながらも、当事者は、
“自分が悪を犯すのは赦されている(当たり前)”と自己肯定をしていること。

そんな、子供たちを、
大人は、せっかんをするだけで取り繕うとし、
大人の、都合のいいように子供たちを取り扱ってしまう。

まさに“負の連鎖”。
しかし、これもまた、
その大人は、それが“負の連鎖”を生んでいることに気づいていない。

◇   ◇

ここまでの感想は、
今作を鑑賞した上での、
自分なりの解釈も含まれています。

今作、ヒントっぽいものはありますが、
解答は一切提示されませんし、説明セリフなどという、
愚かしいものは、登場する気配すら感じさせてくれません。

だから、導入部にあたる序盤は、
色彩が、モノクロなのも手伝って、
気を抜くと、睡魔に飲み込まれてしまいます。

実際、お隣の女性、序盤気持ちいい寝息を立てていました。
しかし、終盤は、それとは対称的に口元をハンカチで抑え、
まるで、怯えるように、スクリーンを凝視しておりました。
無音の、エンドロールが流れ終え、客電が点灯したあとも、
しばらく、座席に座ったままでした。

“人の闇”っていうのかな。
色彩が、モノクロなだけに、
白と黒しかありませんから、闇が一層際立つんですよ。

幕引きも恐怖以外の何物でもないです。
私も、絶対に、こんな村は出て行きます。
そして、二度と、近寄ることはないでしょう。

★彡     ★彡

今作は、あくまでフィクションの位置づけですが、
現実世界に起きても、全くおかしくはないと思っています。
だから、余計に、薄気味悪くて、ゾッとしてしまうんです。

“白いリボン”
白は純粋、純潔の表れとも言いますが、
リボンが、結ばれた人間の中には、真っ黒な、
どす黒い、恨みつらみ、憎しみの色しか見えませんでした。

演出巧み。
役者もメインの1人、
学校教師は映画初出演とは信じられない好演。
子供たちも、まるでドキュメンタリーのような生々しさです。

カンヌのパルムドール作品だから、と
軽い気持ちで来ると、爆睡するか、精神的に
やられる可能性があります。コンディションを、
整えた上での鑑賞を推奨させていただきます!!

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septaka

5.0生まれたての、悪意

2011年3月28日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

「ファニーゲーム」「隠された記憶」などの作品で知られるミヒャエル・ハネケ監督が、カンヌ映画祭において初のパルム・ドールを受賞したミステリー作品。

清々しいまでに悪趣味を貫く作品である。

「混じりっ気なし、純粋無垢、無添加無着色、ぷるぷるつるんのタマゴ肌」な、どす黒い悪意が、物語の底辺をどろり、どろりと澱みながら流れ出し、2時間30分近い長尺の世界を支配する。

その陰湿な空気は、観客の中途半端な解釈であったり、物語への安易な接触を完膚なきまでに叩き潰してしまうほどの強烈な破壊力を存分に内包し、私達に突き付けてくる。上映終了後に感じてしまう劇場全体を覆い尽くす敗北感、脱力感の根源は、ここにあるとしか思えない。

閑静な、美しい景色を讃えた小さな村。その日常に唐突に忍び寄ってくる一つの悪戯。ハネケ監督はこの悪戯を皮切りに、随所にささやかな、それでいて気味の悪い悪意を村のあちこちに撒き散らし、物語の住民達を、同時に観客を疑心暗鬼に誘っていく。

これまでに発表してきた作品においても、解釈不可能な人間の心の機微を、程よいユーモアにくるんで料理してきたハネケ監督。だが、今作では剥き出しとなった負の感情を容赦なく、回り道無しに描き切っていく荒業に挑む。

物語もまたあって無いような抽象的な要素を積み重ねて、まさに観客を置いてけぼりにする覚悟で疾風の如く走り去っていく。悔しい。憎らしい。でも、格好良い。

生半可な覚悟で理解に挑むと、立ち直れないまでに心が殴り倒される本作。だが、ここまで悪趣味な世界を論じておきながら、ハネケの暴走世界に、無作法な荒っぽさに、私は魅せられてしまうのである。

生まれたての悪意は、麻薬の味がする。

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ダックス奮闘{ふんとう}

4.0145分間、居心地悪かった。

2011年2月26日
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鑑賞方法:映画館

怖い

ふ~~~…と、鑑賞後に長い溜め息を付きました。

この居心地の悪さ…このべっとりとした感触……禍々しさの極地。

たまたま、ふらっと立ち寄った農村が、まさかこんなに陰鬱で鬱屈で、抜け出そうとしてもなかなか抜け出せず、145分間足留め喰らってやっとこさ逃げ出した気分、とでもいうか。

滞在中も滞在後も、決して心の靄が晴れることはないです。
なのに、こんだけの悪意を内包しておきながら、それが表層に剥き出されることは終ぞない。表面に、僅かに、滲み出るだけ。
片鱗をチラチラ覗かせたと思うと、またナリを潜める。再び、更なる悪意が来訪。
その繰り返し。

その息苦しさを味わいながら、145分間の拘束が続く訳です。

そして、やっと訪れる終焉。
「白いリボン」というタイトルに込められた真の意味。
コトの真相とでもいうか。
ラストにそれを理解、目の当たりにした時です。
アナタもきっと、長い溜め息を付くことでしょう。

ただ…その真相が具体的な像で以って姿を現すことは、最後まで無いのですけど。

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ロロ・トマシ

3.5あまりに高尚すぎて評価できない

2011年2月4日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

2009年ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア・ドイツ合作映画。144分。2010年52本目の作品。カンヌの最高賞であるパルムドールを受賞したミヒャエル・ハネケ監督の最新作。

内容は;

1,第一次世界大戦の前夜、ドイツの厳格な因習が残る農村で男性の落馬による死亡事故が起きる。
2,それから村には「不可解な」事件が立て続けに起きる。
3,事件の解決で調査する青年は、村の異様な人間関係を目の当たりにする。

テーマ的にはハネケ監督の前作「隠された記憶」につながる「子供」です。違う点は前作が現代劇だったのに対し、今作は今からほぼ1世紀前のお話。都会ではない、周縁の農村で厳格な因習のもとに暮らす人々の屈折した異様な人間模様が描かれています。

ラース・フォン・トリアー監督あたりが同じテーマを映画にして「田舎=良いところ」という世のステレオタイプを見事に崩してますが、本作はそれだけじゃ留まらない(これ以上言ったらネタバレになるので伏せときます)。

正直、この作品がつきつける「現実」を知って得になるのかどうかはわかりません。それだけ、本作はリアリティがあり、そして残酷な作品です。

ハネケ監督の空の上を突き抜けようとする探求心と集中力、巨視的な視界はお見事。わたくしは、ただただ感嘆と畏怖を抱くしかありませんでした。

いつか腑に落ちるまで観てみたい作品です。

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あんゆ~る

4.0面白い。が、神経を逆なでする

2011年1月31日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

評価の高い本作ですが、私には到底理解できたとは申せません。
たしかに面白いのですが、他人から、それでどこがよかったの?と尋ねられても説明できないのです。

封建制が色濃く残る20世紀初頭のドイツの田舎で、横溝正史的ともいえそうな不可解な事件や出来事が次々に起こり、なんの解決も見ないままに映画は唐突に終わります。

ミステリではありません。歴史物でもありません。
おぞましい人間の業を描いたのでしょうか?
前近代的なムラ社会の因習を批判しているのでしょうか?
神と人との断絶を問題提起したのでしょうか?
ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへと移ろうとする大戦前夜の混沌をカリカチュアしたのでしょうか?
子供たちの無垢と獣性の対比を露わにしたかったのでしょうか?

狂言回しの教師の目で、ただ淡々と話は進み、観客にすべては委ねられます。

ストーリ運びや人物描写、映像の美しさなど、非の打ち所がないのですが、作品の意図がわからない。わかる必要などないのかも知れませんが、そこがわからないとこの映画を理解したことにならないのではないかと思ってしまうのです。

わからないまま無批判によい評価を下すことはできませんので、4.0という中途半端なスコアにさせていただきます。

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ヨギベア

5.0不透明な、リアル村社会。 「すでに古典」はダテじゃない。

2011年1月22日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

戦前ドイツのド田舎の小さな村で起こる不吉な事件の数々。
そこに暮らす人々のあいだにある「善悪」という価値観。
リアル「村社会」を、すさまじいまでに緻密に描いている。
男爵がいて、小作人が大勢いて、牧師がいて、
学校は教会の付属品で、教育は厳格なキリスト教のもとにあって。

起承転結とかじゃなく、見終わった後に
観た人のなかに続いていくものを想定して作られていて、
物語、というより、145分かけた「問いかけ」のよう。
淡々としているのに目が離せない。

モノクロの映像も繊細で美しい。
カラーで撮影して、デジタル変換してるんだそうだ。

映画史に残る、というか
残ってほしい映画だなーと思った。
『ウィークリー』誌のレビュー、「すでに古典。」という言葉に納得。

だが決して、過去の話じゃない。
と監督は言いたいのではなかろうか。
レディースディに観に行ったせいもあるのだろうけど、満席だった。

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くるまどろぼう