劇場公開日 2011年9月23日

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「局所的なダイナミズム」プリースト ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5局所的なダイナミズム

2011年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

この監督の前作『レギオン』には「超絶に色々勿体無い映画だなー」という感想を抱いていました。
神やら天使やらと、やたらと規模のでかい未曾有の終末世界を提示しながら、舞台の局所感と巻き起こる騒動がやたら小規模という。
消化不良気味というか。それでも「勿体無い」と思わせる力量はあるというか。
この監督の次回作が再びSFなら、また観てみたいなあと思わせる魅力は確かにあって。
このザラついた画造りとVFXで以って、もっと大規模な作品を作って欲しいなあ、という。

『プリースト』にはそこら辺を期待して鑑賞に望みました。

んー、変わらないですねえ。
物語の大風呂敷拡げました感と舞台スケールのでかさ。
ヴァンパイアの大群が居ることを示唆しておきながら、そこまでの数を表に出さないというか。
戦いのダイナミックさも、あるっちゃあるんですが、ガジェットというかギミックというか、意味の分からない武器に頼らないで、破格的に強い肉体描写で格闘術描いた方が良かったんじゃないかなー、という。

だから、ダメなのか?というと、そうでもなくて。

前作『レギオン』よりも「大規模な世界観の中、小規模な舞台展開を繰り出しつつも、如何にしてダイナミズムを表現するか!?」的手腕が数段パワーアップしてるなあ、と。
ああ、このスコット・スチュワートという監督はそういう人なんだ、と。
この物語展開が彼のブランドなんですかねー。

結局、何だかんだで次回作も観ちゃうんだろうなー。

ロロ・トマシ