永遠の僕たちのレビュー・感想・評価
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バン・サントってやっぱりこんなヤツなんだな
加瀬さんがとてもいい。その演技は見るべきものがあると思うよ。
しかし
いいかげんええおっさんがこんな映画を撮るんでないのっ!
日米合作 恋愛と死の物語
アメリカ版『世界の中心で、愛を叫ぶ』かと思いきや、それを超える深みを目指した野心作。
特攻で戦死した日本人の若者の幽霊と対話する少年の話、ということでトンデモ映画の予感もありつつ見始めたが、ちゃんとしたドラマでした。特攻隊の若者を出す意味は、ヒロインと「若くして(自らの意志に反して)死ななければならなかった」点が同じだからと思います。
作中劇で演じられるのは余命短いヒロインが恋人に看取られるメロドラマですが、主人公はそこで切腹しようとする、という突飛な行動をし、単純なメロドラマをぶち壊そう!という思いが見て取れます。人間そんなにおとなしく死なない、ということでしょうか、特攻隊の若者を出すことで、ヒロインももっと生きたいという思いで死んでいったのだと思わせてくれます。
特攻隊の方の思いや特攻に対するアメリカ人の考えなども特に違和感ない点はGoodと思います。
特攻を殉死と米国人は感じているのか?残念ながら犬死じゃない?
生きている証と、生きていた証だと思うけどね。
この稚拙な男性と、死の間近に出会ってしまったこの少女が可哀想。
しかし、ハリウッド映画ってモラトリアムな甘えの塊見たいな青年を描くのが好きだ。
僕もあと少しで向こうに行くけど、この映画は時間の無駄かも。
昨日はある動物圏に鳥を見に行ったので、鳥の話をしようとしたが、この稚拙な青年の姿を見て話す気にならなかった。この少女の最後に見る姿がこの青年ってことはうかばれない。
マリンバなんてアマゾン川に漂流している。
死に取り憑かれた少年
2011年。監督:ガス・ヴァン・サント
風変わりなラブストーリーでした。
両親を交通事故で亡くしたイーノックは自分も3分間の臨死体験をしてしまう。
高校も行かずに、他人の葬式に参列する日々を送っている。
イーノック役をデニス・ホッパーの1人息子のヘンリー・ホッパーが演じています。
父親を美しくしたような美少年。
イーノックは脳腫瘍で余命3ヶ月の少女アナベルと知り合い、波長の合う2人は恋人関係に・・・。
ここまではまだこれでも許容範囲。
イーノックのたったひとりの友人は神風特攻隊で死んだ男・ヒロシなのです。
幽霊が見えて対話までしてるんです。
ヒロシ役は加瀬亮ですよ。
特攻の制服に丸刈り、軍人そのものの加瀬亮。
ビックリしました。
アナベルのミヤ・ワシコウスカも変わった役が多い個性派ですが、この映画は純愛テースト。
死に馴れてるはずのイーノックも死期の近づくアナベルを見て心が乱れます。
私ももう少し若くて純粋ならもっと感動して涙・・・だったかもしれません。
意外と冷静になって観ていました。
死に際のアナベルが健康的で美しく、とても死ぬようには見えません!!
やはりファンタジーかもですねー。
蛇足ですが、ヘンリー・ホッパーはその後スターの道を歩むのかと思ったら、翌年の2012年に15歳の少女への暴行で将来を棒に振ったようです。
(残念ですね)
ガス・バン・サント監督らしさが滲む
ガス・バン・サント監督作品、そしてヘンリーホッパーが主演というだけで満点にしたい。
ハロウィンの夜からあとは、ヘンリーがデニスホッパーにそっくり生写し状態となり、かっこよくてうっとりした。エンドロール最後の献辞でまた泣けた。
イーノックも、アナベルも、アナベルの家族も、イーノックの叔母も、ヒロシも、皆大きな悲しみを抱え、笑ったり泣いたりして生きている。ヒロシは生きてないけど。
最後の、ヒロシが洋装で登場する場面はエッ??!!と思ったが、ヒロシにはヒロシの事情があるだろうし、いつでもみんな孤独な存在なれど決してひとりぼっちにしないという監督らしさも感じた。ヒロシの佇まい、ハロウィンのコスチュームなど日本的なものとの親和性、違和感のなさも、丁寧な作品作りを感じ入る。。
ガス・バン・サント監督が表すなんとも絶妙な人と人の関わり方、愛情、寄り添うような優しさ、どうしようもない不条理に対する怒り、反抗、反戦まで、さまざまな人であるが故生きてる限り感じる感情を、霧や雲やもやの中に包まれるような不思議な感覚で受け取るような感じ。
、
それが短くても良い時間を好きに過ごす。
”夕日が沈むと死ぬ”と
思い込んでる鳥がいるの
だから朝になると
目覚めた驚きでー
美しい声で歌うんだって
このセリフはとても素敵。
特攻隊員の加瀬亮さんが幽霊なんだけど心の友
いい感じで存在してる
アメリカ人から見た特攻隊員って
敵視されてるってわけじゃないのかな
原題:Restless
ダサい邦題撲滅委員会に報告
これはきっと綺麗ないい映画です。
最初はチープな感じがしました。
でも最終的にはそれすらも愛しい映画でした。
まるで童話の中を冒険する子供のように死ぬ前に好奇心を一つずつ実行する姿。悲しいけれど彼らは笑顔で、彼らなりに死と向き合ってました。
でもそれらは難しい理屈抜きで「満足のいく死に方」で括られ。残された者も前を向ける死に方でした。
加瀬亮演じるヒロシが私には悲しくて悲しくて……でも海外の目からの戦争と日本が垣間見れた感じです。
エンドロールには心が洗われるってこういうんだろうな……と思いながらポロポロと涙することができました
私は、この映画好きです。
きっとこれはいい映画です。
自分には合わなかった
両親をなくした少年と余命3ヶ月の少女の恋の物語
なんだろ…少年の性格に好感が持てなかったからか、作品のテンポ・演出が悪かったのか、よくわからないけど全然作品の世界観に入れなかったですね…途中で飽きちゃいましたもん……
唯一、おお!ってなった所はラストの回想シーンだけ…
ちゃんと世界観に入って見ればこの作品の良さも見えてくるのかもしれませんが、自分にはちょっと無理そうな作品となってしまいましたね
イーノックは両親を亡くした。アナベルはガンを患っており死が近い。若...
イーノックは両親を亡くした。アナベルはガンを患っており死が近い。若い2人からは死の匂いが離れない。
彼らはそれぞれの状況から大人びて見える、ただその姿を見ていると胸がチクチク痛む。
人生に対する感謝をする姿が逆に辛くてしょうがない。本当はもっと何も考えずに生きていていいはずなのに。。。
だからこそ、最後のアナベルのお葬式のシーンでアナベルとの想い出を思い出し口元に笑みを浮かべるイーノックを見て安心した。
足りない
予告編を観て面白そうだったから観た。
まず最初に2人が出会うシーンはいいけど、そこから仲良くなるまでの時間が早すぎて後半になると遅く動くので違和感があった。こんなにも早く動くのかと思った。
日本兵が出てくるので親しみやすいところもあった。その日本兵側のお話は面白いしやっと友達にその手紙を渡せて良かったと思う。それに最後の迎えに行くシーンは衣装は謎だけれど設定としては分かりやすいし良かったと思う。
問題は他の役者の演技力。ミアは最初から最後まで良かったけれど、ホッパーは微妙だった。もっと上手くできるような気がする。何回か取り乱すシーンがあるけど、そこが物足りない。お父さんが凄いのでもっと期待してしまった。あとお姉ちゃん役の方。妹の癌が進行していると言われた直後にトイレで泣くシーン。鏡に顔も写ってるし背中も見えているんだから、もっと観客に悲しさが伝わるはず。けれどそんなに伝わらなかった。そこが残念。
いろいろ不思議であれ?って思うシーンが多かった。もう一度観たいとは思えない。でも悪い映画ではないと断言はできる。
その涙は誰の為?
この作品の魅力の一つは何と言っても、青春のキラキラと輝く初々しさと、直ぐにでも壊れてしまいそうな繊細さ、純情さを描かせたら右に出るものはいないと私は信じて止まないインディペンデント映画界の大御所監督ガス・バン・サントの作品で有る事だ。
まぁ何時までも、インディペンデント映画界の映画監督と言っては大変にガス・バン・サント監督に対して失礼であり申し訳ない事であるが、しかしこれはバカにして言っているのでは無く、真逆で、彼に対して尊敬の気持ちを込めて敢えてそう表現しているのだ。
アカデミー監督賞候補には2回も選ばれているが、残念だが彼自身監督賞の受賞は出来てない。けれども、「グッドウィルハンティング」ではマット・デイモン、ベン・アフレックが脚本賞を受賞し、ロビン・ウィリアムスが助演賞を受賞し、「ミルク」でもショーンが主演男優賞を受賞した。この様に素晴らしい感動作品を監督し、映画史にも残る立派な作品を監督している彼なのだが、しかしその割には、彼はいわゆるハリウッド大作映画を制作しないで、小品ばかりを撮り続けているそんな彼の独自の姿勢が私はとても大好きで、しかも彼の作品は本当に心がキュ~ンとなるような、そして何か普段は忘れ去っている遠い昔の純粋だった頃の自分達の過去の気持ちを、目の前に一瞬にして届けてくれる力を持っている作品を撮ってくれるところが好きなのだ。
何時の間にか、何処からともなく春風に乗せた様に、心が軽く踊り出す様な心地良い暖かさを観る人の心に届けてくれるのだ。
映画を観る私達の心の中に、優しさの大切さ、自分自身を、そして人々を信じて生きる事の価値を再確認させてくれて、幸せな気持ちを運んでくれるのだ。
本作品も不治の病の少女アナベルと両親を突然の交通事故で亡くして以来死に取り付かれてしまったナイーブな青年イーノックとの淡い恋を、ヒロシと言うジャパニーズ神風の英霊を交えて、彼ら3人の織り成す不思議なファンタジーの世界を魅せてくれるのだ。
この薄幸の少女アナベルを演じているミア・ワシコウスカがとってもチャーミングであり、彼女の伸びやかで自然な芝居が良いのだが、彼女は「アルバート氏の人生」でも堂々、グレン・クローズを相手に良い芝居を披露していて大変印象深かった。
そして、彼女の恋人のイーノックを演じたヘンリー・ホッパーも好青年でこの繊細なイーノックの役を懸命に演じていて、この若い2人の俳優の魅力を良い感じで引き出したのは、流石この監督ならではの実力だと思う。
そしてイーノックは交通事故で臨死体験を経験してから、彼には旧日本軍兵士の英霊である特攻のヒロシが見えるようになる。その特攻隊員のヒロシが彼の経験から、恋の手解きをこのイーノックとアナベルに指南するのだ。このヒロシを演じる加瀬亮が軽妙なテンポでこの2人の恋人のキューピット役を好演しているのも面白い設定だ。ピュアで切ない恋の別離の物語だが、最後に出会い掴んだイーノックとの幸せで、アナベルは天国へ行けるのだ。如何に生き愛したかが、人の人生の価値を決める事を改めて思い出す作品だ。
透明感と爽快感。
D・ホッパーの息子、H・ホッパーを今作で初めて観た。
うわ、目が似てる~所在なく泳いでいる落ち着きのない目、
私の大好きなJ・ディーンを師と仰いでいた頃のD・ホッパー、
でもお父さんの方がガタイが良かったな^^;背も高くてねぇ。
良くいえば今風の、相手役のM・ワシコウスカと合わせても
本当にキレイな顔の二人。透明感が抜群。カメラ映えする。
今にも消え入りそうな線の二人を見守るのが同じく細めの^^;
加瀬亮。彼は主人公だけに見える特攻隊の幽霊・ヒロシの役。
彼の英語を初めて聞いた気がするがかなり巧い。しかも自然。
この三人のサラリとした存在感と心地良い音楽に、ふと
この作品は何を描いた映画だったか?なんて思ったほどだ。
葬式ごっこ。とは聞こえが悪いが、他人の葬式を覗き見ると
いう行為で死を感じ取ろうとする若者。(昔の映画でもあった)
幼い頃突然の事故で両親を失い、自身も臨死体験をしていた
彼にとって、生死の境がなんの意味を持つかが分からない。
またその体験で英霊(加瀬くん)が見えるようになってしまった
彼には、もはやこちらの世界で活きようとする活力が見えない。
ところが葬式ごっこの最中、こちら側でとても素敵な女の子を
見つけてしまう。しかし彼女は脳の病で余命幾許もなかった。
「死」を間近で体験したものが囚われる悲しみや後悔、幾ら時を
経てもそれが癒えないのは本人の心持ち以外に治す術がない。
周囲は(つまり世間は)何も変わってはいないのだ。
この、ヘンリーくんが演じるイーノックのイノセンスな言動は
(その理由を知っていれば理解できても)不思議としか映らない。
死期が迫る女の子アナベルにはなにかしら共通の空気というか
お互いにそんなものを感じとったのかも知れない。
急速に惹かれあう二人の恋愛(ごっこ)には遊びの要素ばかりが
強調され、現実逃避癖(ヒロシと話すという)が趣を深めている。
このヒロシがかなり魅力的。
自身が遂げられなかった想いを最後に語るシーンは感動的だ。
そしてこの三角関係は、この三人の抱える想いを支え合う形で
効果を為し、一人の死が二人の生を解き放つ場面が素晴らしい。
決して死を賛美するものでなく、打ちひしがれる悲惨さでもなく、
想いや願いが叶うことの素晴らしさを強調するものになっている。
彼女との日々を思い出すイーノックの微笑みが愛らしい。
(透明感のある素肌には憧れます、今の歳になってからより一層^^;)
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