「アカデミー賞3部門とゴールデングローブ賞じゃ足りない秀逸な作品!」ソーシャル・ネットワーク cloudy_bayさんの映画レビュー(感想・評価)
アカデミー賞3部門とゴールデングローブ賞じゃ足りない秀逸な作品!
必ず一度は見て欲しい映画です。
そして、この映画の良さが分からなければ、自分の人生を考え直したほうが良いでしょう。
とにかく映画としては完璧です。
そして、人と人とのつながり「ソーシャルネットワーク」、人としての生き方、人生について深く考えられるストーリーです。
いくつかこの映画に対して、アスホールな評価をしていた人がいたので突っ込んでおきたい。
(彼らの評価に共通してることは非常に狭い世界でしか生きてきた経験がないことが見えてしまうのが悲しい)
同じくデビッド・フィンチャーの映画「セブン」を映画館で見た直後に、「俺、誰が死ぬか途中でわかったぜ」と自慢気に話す見ず知らずの男がいた。人生で一番唖然とした瞬間だ。
「セブン」は推理映画でもサスペンでもない。そこでどう感じるかだ。ひとつの見解としては、キリスト教の7つの大罪に対して自分を見つめ直す映画だろう。ストーリーがどうなるかなんて皆分かっている。ヒントだらけだ。問題はそこでなく、その時自分ならどうするかと考えること。考えさせられる映画だ。
デビッド・フィンチャーには、本当に関心する。
考えさせられる映画を作る。
この映画は、アカデミー作品賞は逃したものの、脚色賞、編集賞、作曲賞を受賞している。オープニングの瞬間から見事に引き込まれる。
メーキングで知ったが20カット、30カットは普通、99カットも撮っているシーンもあるそうだ。それだけ作り込みがすごい。編集賞はもっともだ。この映画に勝る編集はまずないだろう。それだけ緻密に綿密に見る人にとってぎりぎりのところで作られている。
早口でわかりにくいという人がいたが、それは「残念な人」だ。自分の無能さをアピールしているだけだろう。世界中の映画評論家の評価はすこぶる高いのだから、名も無い一般人が批判的な評価をするのは残念なだけだろう。
ちなみに日本語訳は、いわゆる超訳で、大事な内容をはっしょっているから、本当の意味で残念だ。その残念な訳が早いと感じるとしたら、どんだけ能力が劣っているのか?という気持ちでむしろ切なくなる。
また、作曲賞も納得。セリフとストーリー、編集でもエクセレントなのだが、それに味付けされるトレント・レズナーの曲が見事にマッチしている。この映画の刹那がひしひしと伝わってくるのだ。
映画の内容だが、見る人の年齢やこれまでの人生で考え方は多いに違うだろう。
新しい文化と古い文化。子供と大人。東海岸と西海岸。保身と革新。真摯さと軽薄さ。杓子定規な法と純粋な心。感じ方はひとそれぞれだ。
ひとつ断っておくが、これはサクセスストーリではない。
例えば、とにかく野球をすることで結果的に裕福になったイチローを責める人はいるだろうか? イチローは本当は数々のライバルを蹴落としてきた悪人なのか? イチローは野球に固執することで、どれだけの人を傷つけてきたのか? 人生には必ず光と影がある。 そういう映画だ。
メーキングを見る限りは、少なくとも2つのテーマはあるようだ。
ひとつは、素晴らしいデザインの椅子を新たにつくったからと言って、それまでに椅子を作った人に権利料を払いはしないだろう。ということ。
そして、5億人もの人が使う社交的なツールを作った人間がしたかったことは、たった一人の友達をつくりたかっただけなのかもしれないということ。
どう捉えるかは、あなた次第。
そういう類まれな秀逸な映画です。
レヴュー素晴らしいと思います。
他の映画作品もレビューしてほしいです。
あなたの意見にはっと気づくこと考えさせられることがあります。
ありがとうございます。