「Facebookはuserでありながら自分も嫌いだが、fact重視しない映画作りには賛成出来ない。ただ創業者像等、興味深い映画ではあった。」ソーシャル・ネットワーク Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
Facebookはuserでありながら自分も嫌いだが、fact重視しない映画作りには賛成出来ない。ただ創業者像等、興味深い映画ではあった。
デビッド・フィンチャー監督による 2010年製作(120分)のアメリカ映画。
原題:The Social Network、配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
フェイスブックが卑しい企業で、ザッカーバーグはとんでもなく嫌な奴と言いたい気も良く分かる気はするが、ボストン大女子学生エリカに振られた腹いせでファイスブックの元となるサイトを作ったというこの映画のストーリーは、どうやら出鱈目らしい。ザッカーバーグはフェイスブック立ち上げ時には、今の妻と既に恋愛関係だったとか。モデル的な設定なら納得だが、実名出しての映画だけに、factを重視しない姿勢にかなり腹ただしく感じてしまった。
とは言え、ジェシー・アイゼンバーグの演技は、冷徹だが天才的で努力を厭わず、創業事業に狂信的で、ショーン・パーカーの言葉には素直に従うIT創業者としての存在感を十分に表出していた。
ザッカーバーグをアイデア盗用と訴えるハーバード大ボート部ウィンクルボス兄弟が、親の力で面会した学長に諭されるシーンが印象的であった。世代を跨いだエリートで、その生き方を何処か馬鹿にした様な描かれる方とも感じた。
ジャスティン・ティンバーレイク演ずるショーン・パーカーの人物像も、興味深かった。残念ながらこちらも、事実とは異るキャラクター設定の様であるが、Facebookの初代CEO(25歳)であり株式会社としての組織構築には貢献し、麻薬保持疑惑で会社を追い出されたのは事実の様。ザッカーバーグ以上に彼には興味を覚えた。
パーカーが、共同創業者エドゥアルド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)の有する株式の希薄化を仕掛けたと暗示されていたが、実際に訴訟がなされており、なかなか興味深かった。一種の騙し討ちだが、契約は存在し、会社の独裁者はこうやって権力を強化するのかと。
監督デビッド・フィンチャー、製作スコット・ルーディン 、デイナ・ブルネッティ、 マイケル・デ・ルカ、 シーン・チャフィン、製作総指揮ケビン・スペイシー、原作ベン・メズリック、脚本アーロン・ソーキン、撮影ジェフ・クローネンウェス、美術ドナルド・グレアム・バート、衣装ジャクリーン・ウェスト、編集アンガス・ウォール カーク・バクスター、音楽
トレント・レズナー 、アティカス・ロス。
出演
ジェシー・アイゼンバーグマーク・ザッカーバーグ、アンドリュー・ガーフィールドエドゥアルド・サベリン、ジャスティン・ティンバーレイクショーン・パーカー、アーミー・ハマーキェメロン&タイラー・ウィンクルボス、マックス・ミンゲラディビヤ・ナレンドラ、ジョセフ・マッゼロダスティン・モスコヴィッツ、ルーニー・マーラエリカ。