ダブル・ミッションのレビュー・感想・評価
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ジャッキーの和やかな家族向け喜劇
総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 65
アメリカを舞台にしていても基本的にジャッキーらしい伝統の滑稽な活劇だが、家族と子供を大きく取り上げている。そのために例えテロリストが来ようが襲撃に遭おうが随分と和やかな雰囲気。それでも歳のわりに相変わらず建物に登ったりそこから降りたりと体を張ってジャッキーが頑張っている。基本的に家族向けのほんわか映画であって大迫力活劇というわけではないのだが、子供に振り回されるジャッキーを見るのもいいのではないか。
ファミリーコメディ
ジャッキーのアクションやお約束のNGシーンは見どころですが、笑えるシーンも多いです。
作中に色々ツッコミどころがありますが、コメディなので難しく考えず、ほのぼのとした気分で鑑賞できました。
「トゥルー・ライズ」+「スパイ・キッズ」???
随所にジャッキー・チェンらしさはあるものの、いまいちゆるい。子ども三人のキャラはそれぞれ三者三様でまあ合格点。ジャッキーと恋人役の馴れ初めと愛が深まったところが描かれていないため、どのくらい愛し合っているかが理解できない。そのため、急に子ども三人を隣人のジャッキーに預けちゃうのが、うそっぽい。そこまでジャッキーを信用しているわけ??? それから、ジャッキーが中国のエージェントでCIAに出向しているっていうのもそんなのありなのかと思った。敵ってわけじゃないけど、そんな大事なことまで開放していることが理解しがたかった。そこらへんをクリアしてくれれば、もっと面白くなった可能性はあるので、惜しい。
先が見えてしまうので片目をつぶる必要はあり。でも“ベスト・オブ・ジャッキー”と言うべき30周年記念作品です。
ハリウッド進出30周年として、まさに原点回帰したかのような典型的なアクション・コメディです。
主人公ボブ・ホウの活躍を紹介するオープニング映像は『プロジェクト・イーグル』『ラッシュアワー』『ラッシュアワー2』『タキシード』からの引用。ファンをニヤリとさせる、この冒頭だけでも本作が“ベスト・オブ・ジャッキー”と言うべき作品であることがわかります。随所にこれまでの出演作を彷彿させるアクションに溢れていました。
その「ジャッキー・スタイル」は徹底されており、カンフーをベースにしつつ手近にあるものを武器として利用する、ユーモラスでスピーディーな格闘アクションは、本作でも健在でした。
だからやっぱりお楽しみは、エンディングのNGシーンですね。今回も大笑いのNGシーンを魅せてくれました。いかにCG抜きでアクションに体当たりをしたのだというのがよく分かるNGシーンばかりでした。
御年58歳でしたっけ、もうすぐ還暦を迎えるというのに、全然若い頃と変わらない動きを見るとジャッキーのファンの人ならついつい嬉しくなってしまうでしょう。
アクションの見せ場は数あれど、ストーリーはスリル感を求めるムキには不向きです。何と言っても、主人公ボブが、幸福な結婚を選択して、スパイ業からの引退を決意するというのが基本線なので、どことなくホームドラマタッチ。家族となる婚約者ジリアンとその連れ子を守るんだというボブの悲壮な決意と、ダサいボブとの結婚に反対して、父親とは認めない子供たちとのたどり着く家族愛が軸に据えられているのですね。
スパイとしての正体を明かせば、子供たちの興味を引くのはたやすいことです。しかし秘守義務があって明かすことができないジレンマ。サエえない表の顔と、切れる裏の顔、そんな二面性を持つスパイにユーモアと好感を抱かせるのは、まさにジャッキーの個性がなせる演技ゆえんです。
そんな正体を隠したまま、ジリアンから留守番を頼まれたボブは、子供たちとふれあうチャンスとばかりに、張りきって引き受けます。しかし結婚に不満を持つ子供たちの子守は一筋ならでは行かず、随所に笑わせてくれるシーンが登場しました。
なかでも笑えたのは、言うこと聞かない子供たちを管理するため、様々なスパイ・グッズを駆使して自己流で子供たちを監視下に置くことです。また一番幼い末娘の着せ替えを、空中で放り投げて、スポット一発で服で掬って着替えさせるアクロバットなシーンが笑えました。あれはどう見てもCGでしょうね。
そして一度スパイに関わると、引退してもいろいろしがらみに追われるものです。ひょんな事から、ロシアマフィアにジリアンの家がマークされて、襲われる事態に遭遇します。そこからスパイだった事実を家族にひた隠しながら、ボブの涙ぐましい戦いが始まります。
長男イアンもマフィア相手に戦うところは、ちょっと『ホーム・アローン』タッチでした。
戦うなかで少しずつ彼らと心を通わせてゆくところ。例えばジリアンが継母であるという長女ファロンの孤独や、学校で嘘つき呼ばわりされるイアンの疎外感を知って、ボブが心を寄せていくところは、なかなかむヒューマンタッチでした。
アクションよりも、ボブが子供たちにとってかけがえのない存在となっていく展開が、本作のメインとなっているウリの部分で、これはなかなかホロリとせてくれますよ。
スパイである正体が、ついにばれたとき、果たして子供たちに、無事パパと呼んでくれるのか?チョットいいラストシーンをご期待ください。
ただストーリー的には、先が見えてしまうので片目をつぶる必要はあり。ジャッキーを楽しむ作品ですね。
子供向け甘口カレーライス
ジャッキー・チェンの30周年記念作品である本作
大作ではなく意外にも軽快なホームコメディだ
自転車や冷蔵庫など日用品を使ったアクション
重厚で派手な映画が多い最近にしてはライトだが
過去作品をオマージュしたジャッキーらしさが満載
豪快なアクションを期待するとスカされるが
暴力やグロなく「ホームアローン」 のようなユルい雰囲気なので
ファミリー向けにお勧めしたい逸品だ
しかしながら作りは単純でシンプル
わかりやすい分だけ刺激が足りない
同じ単純でもアイアンマンの突き抜けた爽快さには及ばず
例えるならば、スパイシーさの足りない甘口カレーライスのようだった
ジャッキーが扮するボブ・ホウはしがないセールスマン
そんな彼の裏の顔はCIAの敏腕スパイ
隣人のシングルマザー、ジリアンと付き合っているが
その三人の子供たちはなかなか懐かない
ある日彼ら三人の面倒を見ることになったボブだが
長男イアンが極秘情報をダウンロードすることで
スパイの戦いにジリアンの家族もろとも巻き込まれていく
カッコ悪い隣のオッサンが、実はスパイで活躍を見せる
当初は完全にバカにしていたジリアンの子供たち
その見る目がどんどん変わっていき
彼らはボブに父性愛のようなものを感じ認めていくのは爽快だ
一生懸命日々働けどなかなか尊敬に至らない
ナマイキでウソつきな子供たち
彼らが徐々にボブを尊敬してくのは見ていて気持ちがいい
世のお父さんにはちょっと憧れる展開だろう
そして日常に有る道具を使った
ジャッキーらしいアクションも健在だ
過去作品のオマージュも散りばめ、テンポ良く畳み掛ける
相変わらずのコミカルさを持ったジャッキーの真骨頂だ
中でも自転車を使った戦闘シーンはスピーディーで見ごたえ有り
ただその反面、ややアクションのスケールに小ささもあった
ここ最近の派手で豪快な映像に慣れてしまったせいかと思う
また、ちょっと泥臭いコテコテなセンスには
邦題タイトルの「ダブル・ミッション」より
原題の「THE SPY NEXT DOOR」(隣のスパイ)の方がしっくり
更についでに言うと、字幕も合わなかった
たとえばスパイが情報員と訳され、どうにも雰囲気が出ない
情報員なんて言い方は通常しないし
スパイの方がいい感じに胡散臭く、作品に有っていると思う
子供が絡む作品であり、正直、気になる部分も少なくない
アクションも話もややこじんまりとしていると思う。
判りやすいのだが、お話は幼稚であっさりサッパリ
大人向けには、もうちょっと深みが欲しいところだ
そのため、見所は軽妙なアクション一つになってしまい
それ以外の場面ではちょっと間延びしてしまった感がある
意外性やどんでん返しでも挟んで一癖つけて欲しかった
まあ、ファミリー向けのライトコメディと割りきるのがいいだろう
いっそのこと、どうせならリュック・ベッソン作品のように
例えば「96時間」みたいにジャッキーを大胆に暴れさせたら爽快だった
あの手のアクションとジャッキーのコラボはなかなか興味あるのだが
ジャッキーのアクションはやはりカンフーあってのもの
永きファンとしてはやはりコミカルなだけではなく
強く豪快なジャッキーを見たいのだ
次回公開作はリメイク版 「ベストキッド」 のカンフー達人役
大人向けジャッキーがどう演じてくれるか、を大いに期待したい
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