劇場公開日 2010年4月17日

「15歳の少女の姿に生きる力と勇気を与えられる」育子からの手紙 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.015歳の少女の姿に生きる力と勇気を与えられる

2010年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

宮崎花蓮さん。

『チェスト!』
『まぼろしの邪馬台国』

まだ有名とは言いがたい
オスカーが忽那汐里さんの次くらいに
力を入れて売り出しているように見える若手女優。

金券ショップに他の映画前売券を
購入しに行ったとき、彼女の名前と
800円という値段の安さに魅かれて買ってしまいました(苦笑)

だから、難病ものと言うこと以外、
20年前に執筆された著書であることや
実話に基づいていることなど、鑑賞後に知る有様。

劇場は、御年配層を中心に
小さいスクリーンがあてがわれ20名ほどの入り。

そんなに宣伝に力を入れていませんからね。
これでも上々ではないかな、と感じつつ上映開始を待ちました。

☆彡     ☆彡

予想通り:中盤以降、涙が止まらなかったこと
予想越え:生きる勇気、生きる喜びを与えられたこと

〈 ありがとう 〉

まず、オープニングカットで
名古屋のテレビ塔が登場してきて、
思わぬ展開に、ここでスイッチオン。

中盤からラストにかけては
涙なしではスクリーンを観られず鼻水啜りっぱなし。

エンドロールに流れる
楽曲の歌詞が、これまた良くてダメ押し。

先制点→中押し→ダメ押し

まるで野球の理想的な展開のような
ストーリーに完全にやられてしまいました。

先発:宮崎花蓮さん
抑え:原日出子さん、って感じでしょうか。
代打の切り札は、特別出演:渡瀬恒彦さんかな。

◇   ◇

BGMがやや仰々しすぎたのと
名古屋弁の発音がおかしかったのは
気になりましたが、それは作品全体から観れば微々たるものでした。

難病モノなので、
泣く覚悟はできていたのですが
同じ難病モノの感動作『一リットルの涙』を
髣髴とさせるヒロインが懸命に生きようとする姿と、
そんな彼女を献身的に支える両親や学校の友人、そして
偶然ベッドが隣になったことから手紙のやり取りをし始めた
原日出子さんと原日出子さんの家族の姿に、ただ泣くだけでなく、

・五体満足のありがたさ
・健康に生きていることのありがたさ
・一人ぼっちでなく周りの人に支えられているありがたさ

そしてなによりも
両親から生命と健康で丈夫な体を与えられた
ありがたさに心の底から感謝せずにはいられませんでした。

流れ落ちた涙は
病気で亡くなってしまった悲しさではなく、
自分がこうしてこの映画に出会えたことの感謝、
自分がこうして生きていることへの感謝、そういった
ありとあらゆる感謝の念が湧き出てきたことによる、
ちょっとこれまでの難病モノとはタイプが違っていました。

20年前の話だといっても、
生きていくことに今も昔もありません。

だから、きっと
生きる勇気や感動を与えられたに違いないのですから。

☆彡     ☆彡

作中で、
育子が罹った病気は、
現在、J1サッカーチーム、
大宮アルディージャの塚本選手が
人生を賭けて戦っているものと同じ病です。

塚本選手が元気にピッチ上に
戻ってくる姿を見せて欲しい!

そんな思いも頭をよぎりました。

ハンカチ必須の感動作。
感謝の気持ち、生きる勇気をありがとうございました。

septaka