ザ・ウォーカーのレビュー・感想・評価
全73件中、61~73件目を表示
ツッコミ所はあるけど楽しめる終末世界ウェスタン
終末世界が舞台のウェスタンといった感じの映画。
荒涼とした空気が魅力的な過去の名作の匂いがそこかしこに漂っていてイイ感じです。
主人公の刀でチンピラが腕を切り落とされたり、殺伐とした空気を表す小道具として痩せた猫が出てきたり、なんだか黒澤明の『用心棒』なシーンが序盤からちらほら。あっちは猫じゃなくて犬だけど。
敵の副官が吹いてた口笛は大御所エンニオ・モリコーネの曲だし(西部劇ではなく『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の曲?)、『座頭市』や『マッドマックス』的な感じもある。
灰を連想させるような、色を抑えた映像も美しい。
広く青白い空、延々と続く白黒の焦土——荒廃美、とでも言うのだろうか。この美しさは大スクリーンで観なきゃ伝わらない。
またアクションシーンも凝った見せ方で楽しませてくれる。殺陣を逆光で捉えたシーンは様式的な美しさがあるし、砂漠の一軒家で繰り広げられる壮絶な籠城戦をワンカットっぽく繋いだシークエンスは、目眩がしそうな迫力だ。
話の中身について。
物語の鍵を握るのは主人公が持つ、世界に現存する(恐らくは)最後の聖書。
聖書を人心掌握の為に利用しようとするゲイリー・オールドマンの台詞がシンプルだが良い。
「昔の指導者はそうした。私もそうする」
聖書の教えには無神論者の僕も敬意を払うが、それを伝える人間が必ずしもその教えに見合った人間とは限らない。
世の中には神の名を金儲けに利用する人間がいて、神の教えを自己正当化の為に都合良く解釈する人間もいる。
そういや桑田佳祐も唄っておりました。
『いつもドンパチやる前に、聖書に手を置く大統領(ひと)がいる』——
どんなに崇高な目的の為に造られた物も、使い方を間違えばそれまでって事ですね。
主人公は辛い時代を生きる全ての人間に希望を与えるために聖書を西へと運んだ。それが盲目の彼に唯一見えていた生きる道、希望の光だったんだろう。しかし聖書を再び人の手に戻す行為は人類にとって本当に幸福な事なのか……ちょっと複雑な気分ではある。
あと、主人公が実は“座頭の市つぁん”だった事が判明するラストも「いくら何でも強すぎるような……」と思ったり、ヒロインの最後の姿に「戦い方とか教わってなかったようだけど本当に大丈夫?」と要らぬ心配をしてしまったり、ツッコミたい所は色々ある……あるけどまぁ、楽しめたから良し!てことで。
<2010/6/19鑑賞>
私ならシネコン・ウォーカー。
観るまでどういう作品なのか情報を入れなかった。
本を守って、ひたすら西へ歩き続ける男。ハテ…?
あれ、ひょっとして?という中盤辺りの朗読の内容で、
あ、、、そういう、、、作品だったのか^^;と理解した。
うーん。。どうだろうか。好き好きが分かれそうだ。
友人曰く、とても退屈な作品だったと教えてくれた。
うん、分かる気がする^^;なんかつまり、抑揚がない。
映像や背景にはとても凝っているのだが、肝心の
物語そのものに色をつけても良かったんじゃないか。
(つけられないのを前提に言ってみてますが)
殺陣?まがいのアクションは鋭い。銃使いもハデだ。
なのに話が地味で仕方ない^^;不思議な作品だった。
確かに世界にたった一冊になってしまった(おそらく)
彼らだって過去に何度も読んだのであろうその本を、
世界の終りともいえる陰惨な世の中にもう一度!!
というテーマはよく分かる。それによって支配できる
という欲もあれど^^;こうなったら世の中をなんとか
纏めていかないと?せっかく生き残った人類でさえ
破滅の一途を辿ることが見え見えだからだ。
G・オールドマンにみすみす盗られるわけにもいかず、
なんとか西果ての目的地まで…というラストのオチが
いろいろ突っ込みたくはなるものの、巧いとは思った。
デンゼルの神々しい気骨を帯びた演技が感動を呼び、
思い返すと、確かに観応えある物語でもあるのだが、
でも…好き好きかなぁ。というのが正直な感想である。
(ソラーラはなかなか良かったですね。眠気も飛んだし)
予告編の作り方とデンゼルの力で人気だな
マッドマックスの様なストーリーで、(確かにそれっぽいのだが、)何かしら新しいものを期待したのだが、「なんだよそれ」って感じ。持ってたBOOKだって、ただのXXXXXじゃないか!!僕のうちにはないが、家によっては、あるぞ! これ期待してみる人は、本の正体が分かった時点で、がっかりするはず。 僕は、した。最後の落ちだって、そして目指したところは、そこかい?大体にして、設定の説明がない!時代はいつだよ?なんで、そんな荒野なんだよ? 猫が弓矢で殺されたり、指が飛んだり。予告編見るだけにしておいたほうがよいと思った。<デンゼルワシントンを見たいなら、見たらどうでしょう!?> 僕は、そんな印象です。 見たかっただけに、がっかりです。一応、敬意を払って、エンドロールまで、見てきました。「怪獣たちのいるところ」の次に退屈でした。
これもありと思う。
大規模戦争で荒廃した世界。
一人の男「ウォーカー」が一冊の本を守って、西へひたすら運ぶ。
昔は、物が溢れるくらいあったのに、一つの石鹸やシャンプーは、とても高価だ。
「マッドマックス」を思い出した。
老夫婦とのささやかだけど、温かいお茶会。
ひび割れたカップが老夫婦と重なって、痛々しくさえ思える。
イーライが運ぶ本とは・・・
見ているうちに「あれだな~」とわかるけれど、ラストにどんでん返しあり。
あ~、そうだったのか~と。
人間の信念と希望を運んでいたのね。
盲目の女性を演じていた、ジェニファー・ビールスさん。
フラッシュダンスから、もう何年になるのかな?!
30年?その割には、あまり年月を感じさせず、美しい。
しかし・・・ 30年も歩いていたら、とっくに≪西≫に到着していそうだけど。
≪西≫の準備が整っていなかったということか。
30年歩いてたの?
こういう話は日本人には(無宗教な人、つまり私)受け入れられないように思う。
なんで、そんなにしてまであの本を欲しがるのかが…ね。
彼は守られてたようですが…アルカトラズ島で本を完成させるまでは生かすということだったのか?
結局、あの守ってくれてるアレは自分の都合で生かすも殺すも自由自在ってことなのか?
そんなものを信仰して幸せなのか?
あと…彼は30年前に、地球に異変が起きてから一冊だけ残った本を西に運ぶ命を受けてって…
一体どこから歩き始めたら30年サンフランシスコに行くまで時間がかかるんだろう?
車にも乗ってたし、ボートにも乗ってた。歩くだけじゃ無かったよねぇ。。
だいたい…ちゃんと記憶してるんだったら何もあそこまでして本を守らなくても…
たくさんの人の命を無駄にしてるだけな気がしました。
それに、こういう話ではいつも思うんだけど
生活に支障の無い材料とか武器とか車とか(タイヤって大丈夫?)
ちゃんとあるのよね。
ケンタのお手拭…30年経っても使えるの?乾いてないの?不思議じゃわい。
水だって…汚染されてないのか?
最後のシャンプーとか言ってたけど…30年前の物って
もう腐ってるでしょ?
いろいろ突っ込みどころは満載ですが
言っちゃダメってことですよね。
しかし…人肉を食べ過ぎると手の振るえが止まらないっていうのを
教えてもらえた。大変勉強になった。
これから先、人肉を食べることにはならないだろうけど…
いや、なって欲しくない…食べてまで生きたくない。
でも…そうなったら食べちゃうのか?
そんな世になったら生き残りたくは無いよね。
生き残る方が辛いと思う。
あれ?これってチェーンソーの話、じゃないよね。
本の本当の正体はラストでなければ分からない
色を削ぎ落とした映像といい、音楽の響きといい、「ブレードランナー」を意識した感がある。ただ、技術的な進歩もあり、カットごとに細かい色彩コントロールが施されており、視覚的に訴える力は強力だ。さすがにプリントの質も高い。
さて問題の本だが、観る前からアレじゃなきゃいいんだがって思っていたのに、しっかり的中! おおかたの日本人にとって、アレの持つ意義はかなり小さく、ましてや命を懸けて奪い合うことなんてことは理解を超えたものだろう。日本で、この作品が受け入れられるかどうかは、この一点に絞られそうだ。
その難しさが邦題に現れている。この作品が持つ本来の訴えを表現するならば、原題の“イーライの本”が意味も深くぴったりだ。ところがこの本の有り難みに疎い日本人に訴求するとなると、この映画が持つもう一つの顔、アウトローの西部劇的なアクションを強調するしかなく、その結果が「ザ・ウォーカー」という深みに欠けた邦題だ。これは致し方のないことだ。
ラスト・・・、ミラ・クニス演じるソラーラを観ても、日本と欧米の間では違った見方、印象を受けるんだろうな、きっと。私なんぞは、この双子の監督、コスプレ・ファンか?と思うのが精一杯だった。
ただ、★★☆だからといって駄作ではない。本が何であるかは分かっても、本当の正体はラストでなければ分からないし、原題の持つ意味も理解できない。
なお、私はこの本を読んだことがあります。40年ほど前に黛敏郎が音楽を手掛けた米伊合作映画があって、この本に興味を持ったのです。映画化されたのは、この本の冒頭、数十ページ分に過ぎませんでした。
p.s. 久々にジェニファー・ビールスが見られて嬉しい。
このオチはどうかと…
荒廃した世界観をロングショットでとらえた風景はきれい。アクションも『座頭市』を参考にしたという殺陣はオオッと思うが、良かったといえるのはそこまでかも……。
イーライが携えていた本が聖書で、カーネギーがそれを狙うのも、まあ、分かる。西洋圏の人が見れば、「世界にたった一冊だけ残った聖書」は日本人が見るよりは重みがあるだろう。
しかし、オチが……。イーライも実は目が見えていなくて、聖書は点字だったので奪ったカーネギーには読めなかった。ここまではまだ良しとしたいが、イーライが実はすべて暗記していた……というのであれば、いままでの争奪戦は何だったんじゃい!と思わず突っ込みたくなる。どうせ奪われても読めないのだから、さっさと渡して目的地に行ってしまえばいいじゃないかと。そんな無粋なことを思ってしまう。
ヒューズ兄弟は映像はいいけれども、それ以上はなかなか難しいのだろうか。『AKIRA』の監督候補という噂もあるけれど、心配です。まあ、誰がやっても『AKIRA』が大友版を超えることはないだろうけど。
日本人には理解し難い主題です。
何らかの原因に依って文明が崩壊してしまっている社会が舞台。
とは言うものの、“何らか”が示すものは、核戦争である事を映像的に表現しています。“何らか”と記したのは、明示的に台詞として語られていなかったから。冒頭のシーンから、核の灰の降るシーンですからねぇ。って言うか、デンゼル・ワシントン演じるイーライが、防護服を持っているのは、不思議でした。物凄く腕が立つので、元々兵士か何かと勝手に想像していたら、何と、Kマートの店員だったりしていました。
原題は“The Book of Eli”。見終わって考えてみると、欧米人的には原題が、本当にピッタリですね。でも、日本人の間隔では、恐らく理解できず・・・。なので“ザ・ウォーカー”と言う、微妙にポイントをずらしたタイトルに成っているのだと思います。
さて、そのポイントとなっている【本】ですが、何の本であるかは、敢えてここでは記しません。欧米人にとっては大切な本ですが、日本人の多くは共感できないと言うことだけ記しておきます。
核戦争後の世界を描いた作品は数多いですが、何故今、核戦争後の世界を描いたんでしょう? そして、何故、あの本なんでしょうね? ちょっと気になったのは「本が戦争の原因ともなった」と言うイーライの言葉。それは今の、イラクやアフガニスタンの事(アメリカが本の方の立場であって、イラクやアフガニスタンがそれに対抗する側ということ)を暗示しているんですかね?
あ、そうそう。物語の最後に、イーライが、物凄く嗅覚や聴覚に優れている理由(と言っていいと思う)が明らかになります。その後の件では、ある意味イーライ自身が本になっています。って言うか、セリフ的にもそう言っているし。
何れにしても、日本人の間隔では結構不思議な内容です。日本では、万人受けする作品では無いですね。
その本の行方は。
ああああ、ああ、そうか。そういうことかぁ…。
ラスト付近で、全てのことが腑に落ちた瞬間に感じた、自分の心の裡です。
この映画、基本的には謎や秘密を内包した作品内容ではあるんだけども、それを特色にしてる訳でもなく、主人公イーライが30年間運び続ける「本」の正体も序盤でアッサリ明かされるし、純粋にアクション映画だし、まあ何と言うか、中盤のクライマックス過ぎた辺りで『普通』だなあと。
しかし最後の最後、唸らせられたんです。
嗚呼成程…そうだったのか、と。
自分が唸った“それ”が、物語の内容にどれほど重要だったのか?というと、それ程でもないだろうし、善対悪の構図と結末も、しっかりと丹念に描かれているわけでもないけど、何か心の真にズシンと重いものが残りました。
少し自分には高尚過ぎたかもしれません。それとも宗教観的なものかな?
なかなかの映像体験でした。
センスが良い映像と、謎多き脚本
映像は白黒映画に近い程に色褪せた配色が、破滅後の世界をうまく描写しているし、非常にスタイリッシュで、観させるだけの映像にはなっています。
それだけでも映画の価値はある程度あるのですが、脚本が弱いように感じました。
破滅後30年という設定。
西に向かう主人公。
主人公の持つ本は何故貴重になったのか。
これらの設定には道理が通らないだろ!というツッコミ所が多くあります。
時系列や位置関係が変な箇所もあります。
映像の力はあるので、観たらそれなりに見えるのですが。。。
ラストのせいで中途半端な出来に
「マッドマックス」「北斗の拳」をほうふつとさせる設定の近未来アクション。ストーリーは「用心棒」と「座頭市」が混ざったような感じ。これで面白くならないはずがないのだが、見た後、どうもスッキリしない。それは、やはりラストが弱いからだ。娯楽映画だったら、敵をしっかり倒して終わるというのがルールだが、本作ではそれがない。主人公の目的が敵を倒すことではないにせよ、やはり敵を倒してから、目的を達成させる構成にすべきだったと思う。設定、キャラクター、ストーリー、どれもまずまずだったのに、ラストのせいで中途半端な出来になってしまったのが残念でならない。
キャラが弱い
プレビューの激しい戦闘シーンのイメージで観たら、ちょっと期待外れな感じ。。
ストーリーが単純すぎるのと、“せっかくデンゼル・ワシントンなのに”Eli(主人公)のキャラクターがイマイチはっきりしない(インパクトが)弱いのが残念。
オリジナリティーがない、かなぁ…『マッドマックス』と『アイ・アム・レジェンド』に類似してる感があります。
ヒロインのミラ・キュニスが可愛かったのと、
『フラッシュダンス』のジェニファー・ビールズが27年経っても変わらずキレイだったのがよかったです☆
あと、Eliが持ってるよく切れるナイフは一本ほしいなと思いました(笑)。
全73件中、61~73件目を表示