おにいちゃんのハナビのレビュー・感想・評価
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少々ベタだが自然に入り込める良作
このところ多い地方ものプラス難病ものと思って軽い気持ちで見ていたらけっこういけた。まず泣かせる場面を最小限に抑えてあるので最後の場面で自然と泣ける構造になっていて、涙のインフレになっていないのがいい。
次にキャスティングの妙。引きこもってしまった兄が高良健吾で、明るい性格の妹が谷村美月というのもいいのだが、父子(大杉漣)と母子(宮崎美子)の雰囲気がとても似ていて無理なく話に入り込める。ただ谷村が丸顔なのであまり病弱に見えないのが残念(まあ彼女もきちんと病人を演じているわけだが)。脇にも名の知れた俳優を使っているが、成人会のメンバーが弱い、その分主役の二人を目立たせるためと思えばこれもありだ。
おにいちゃんがハナビを作ると決めてからは「男は黙って仕事」モードに入るのでそこをどう見るかで評価が分かれそう。たしかに高良健吾に一人で映画を引き受ける力はまだないのだが、そこは彼のがんばりとそこにはいないはずの谷村美月の存在感で補っている。
泣いて、そして、ほんわかしました。
久々の邦画秀作です
職業柄、普段は興味の無い作品まで観ていますが、正直眠くなる映画が多い。
そんな中、こんな言い方をすると失礼だと思われるかも知れないが、この作品は
久々に最後まで全く眠くならない映画だった。
仕事として冷めた目で見る事が多い業界人も、この作品では素直に泣いていた。
ベタなお話かも知れない、ストーリー展開も最初から読めるかも知れない、
しかし、丁寧に綴られたこの作品を見れば、そんな些細な事は全く気にならないだろう。
主演の高良さんや谷村さんの演技も自然で、すんなりと物語に入り込む事が出来る。
軽薄な映画が多い昨今、久々に良い映画を観られた。
私も、こんな心温まる家族愛の映画で、素直に涙できる人間であり続けたいと思う。
公開されたら、お金を払って、もう一度劇場に観に行くだろう。そんな映画だ。
私の歴代No1作品
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