「接骨院もいいもんだ」ソウル・キッチン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
接骨院もいいもんだ
ジノス(ボウスドウコス)スカイプを使ってテレビ電話するも、会いたくてしょうがない。経営状態悪化のため、ナディーン(フェリーネ・ロッガン)のいる上海へ行こうにもなかなか行けない。いつも練習場代わりに使っていたバンドが演奏を始めると、店には新規の客がわんさか集まった。また、イリアスが仲間と一緒にクラブからDJセットを盗み出して、店へと持ち込み音楽をかけてから大繁盛。シェインの料理も評判になってソウル・キッチンは軌道に乗り出した。
そんな状態に安心したのか、ジノスは兄イリアスに店をまかせて上海へ行こうとするが、祖母の死去のため突然帰国してきたナディーン。腰痛は悪化し、最悪の状態のまま、祖母の葬式でヘマをしてしまう。さらにイリアスがギャンブルに負けて、店を手放すことになった。
パッと見はコメディに見えないのだが、かなり笑える。仮出所中だということを黙ってていてほしい兄イリアスの性格もさることながら、弟ジノスのナディーンに対する一途な愛がそれを一層面白くしているのだ。すぐに包丁を投げてしまうシェインももちろんいいし、店を買いたくてしょうがない悪役ノイマンの存在もいい。
かなりエロティックな部分もあるが、ナディーン一筋のジノスは接骨院のアンナ(ドルカ・グリルシュ)のマッサージにも耐えた(笑)。エロなのはシェインがデザートに入れた催淫剤のおかげで乱交パーティと化したシーンだけだ。
個性的な登場人物がそれぞれ繰り広げる人生模様。店を無くしたが強制競売かけられたとき、破局したナディーンから金を借り、落札する展開も見事だし、エンディングは接骨院のマリアと店を貸切にして二人で過ごすクリスマスイブ。これがナディーンではないところに、未来が感じられる。
kossyさん、お節介ですみませんでした!この映画のお兄ちゃん役のイリアス、「ミケランジェロの暗号」でウィーンのユダヤ人画商の息子ビクターやってるんですね!全く雰囲気が異なりドイツ語も表情も上品でびっくりしました。