「アメリカのおっさん奮闘記」アンストッパブル(2010) 世間知らずさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカのおっさん奮闘記
実話を基に作ったということですが,この話は確かフジテレビの「アンビリバボー」で取り上げられてたと思います。アメリカ鉄道史上最大級の事件ということで,だいぶ前に取り上げられてましたけど記憶にしっかり残ってます。その上で話すことになりますけど,この映画は実話をかなり面白くかつダイナミックに転がすことに成功していると思います。
記憶違いなら申し訳ないですけど,この事件って機関車を止める方法は一緒ですけどスタントン到着を阻止したという終結だったはずです。それでは映画としての見せ場がなくなると脚色したのでしょう。だから自分も「もうすぐスタントン着くよ!?」というドキドキ感を味わいました。事実を脚色することでよりドラマを面白くさせる,一種のセオリーなんでしょうけどそのセオリーに見事にハマってしまいました。
CGを多用せず実物を使うことが話題になってますけど,実物を使うことで「説得力」が増したと思います。暴走機関車が色んなものを壊して回りますけど,線路を塞いだ馬用のトレーラーを破壊するシーンは素直に「機関車って怖いな」と思いました。破壊されたトレーラーが想像を超える動きを見せるあたり,「人の予想を上回るとんでもないことがこれから起きる」という恐怖感が植え付けられました。アクションも,連結部に手を伸ばしたり,貨物車の上を走るという単純なアクションがあんなにドキドキして見れたのも初めてです。
文句もあります。最初に停止を試みたジャドに対してその後何のフォローもしなかったのは可哀相過ぎるし,エンディングなんて映画全体の重厚な感じから浮いてる気がしてかなり蛇足に思いました。でもそれ以上に映画作りに対する誠実さというものを感じることができました。役者も作り手もみんな偉い!見にいって全く損はない映画だと思います。