「佳作。しかし、あと一歩」アンストッパブル(2010) sigeさんの映画レビュー(感想・評価)
佳作。しかし、あと一歩
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ストーリーが単純であり、かつ登場人物の背景描写も最小限に抑えているため
横道に逸れることなく、
登場人物と同じく“如何にして暴走列車を止めるか”ということだけに集中できました。
次々と作戦が失敗し、我が物顔で列車が突き進む中盤の攻防。
いつのまにかそれ自身、まるで意思を持って人々を嘲笑っているかのように・・・。
そして、序盤に少々前フリをして匂わせておいてから
突入する最大の見せ場“大カーブ”。
正直、予告でも大々的にフィーチャーされていたため
この大カーブを越えて終わりかと思えば
まだまだ止まらないとは・・・。
良い意味で期待を裏切ってくれました。
登場人物も一人ひとり短いながら
丁寧に描かれていた印象があり好感が持てました。
昨今のハリウッド大作が忘れてしまったかのような
いわゆる“ポップコーンムービー”です(良い意味で)
しかし、苦言を呈するとすれば
大カーブを越えてしまったら
手綱を抑えられた荒馬のように
急におとなしくなってしまったような印象に・・・。
史実を基にしているとは言え、
そこで危険物のタンクに穴が・・・くらいのフィクションもあれば
もっと盛り上がったような感もあります(ただし、急にB級に陥る可能性もありますが)
あと、意図的に忙しなくしているのか
トニー・スコット監督の演出も少々メリハリがなく
列車同士の位置関係等が分かりづらい感もありました。
序盤の“児童の見学列車とあわや正面衝突か”というシーンも
よりサスペンスフルに描いて、もっと手に汗握る演出が出来たはずです。
個人的には面白かったんですけど
“惜しい”映画でした。
あ~、久々に「暴走機関車」見たくなった。
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