麗しのサブリナのレビュー・感想・評価
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なぜサブリナはライナスを好きなのか
今作は、ビリー・ワイルダーが監督を務め、オードリー・ヘップバーンが主演であるのに興味を持ち鑑賞。
今作は駆け落ちをテーマにしている。資産家と使用人の身分違いの恋愛、そして1954年公開という時代背景を前提に観ると、ストーリーが理解しやすくなる。やはりビリー・ワイルダー監督らしく、昔の映画にしてはストーリーがテンポよく進む印象で、意外性のある展開もあり面白い。
ただ、弟のデイビッドが尻を怪我するのが、兄のライナスとサブリナを恋愛関係にするための、ややご都合主義的展開に思えた。また、ライナスとサブリナが相思相愛になる展開、そしてデイビッドの最後の行動の理由がいまいちよく分からなかった。デイビッドはサブリナをそこまで好きではなかったのか。
以上の理由から、何だか中途半端なストーリーという印象で、観ていてもやもやする感情が残った。
麗しやオードリー
誠にお金目当てではない高潔さと美貌と料理スキルと伸びしろを持ち合わせるサブリナ
ナタリー・ポートマンじゃないオードリー・ヘップバーン扮するサブリナが、財閥ララビー家の二人息子のライナス&デイビット兄弟の弟デイビットへの憧れから、兄ライナスへ氣持ちが変化する様子が見どころ。
サブリナがパリで洗練されて帰ってきてモテ始める。
ララビー兄弟それぞれと共に過ごし、タイプの異なる男性の魅力を知るサブリナが最終的に選んだのは、不器用だが誠実で包容力あふれる兄。ビジネスセンスは抜群であるが恋愛は疎く母性本能をくすぐるような可愛さも持ち合わせている。
多分、年の差なんて関係ない。
結婚や恋愛の考え方も、社会の評判などの世間体に関しての価値観も、詳細はわかりかねるが、劇中のファッションなどオードリー・ヘップバーンが世の中に与えた影響が大きかったとの記述(Wikipedia)があるので、文化の歴史を感じて面白い。
恋愛物語だが『ローマの休日』のような爽やかで単純明快なわけではなく、特に男性陣の立場や兄弟の駆け引きが入り混じり複雑であった。
サブリナを追い払うことがララビー家にとってベストだと信じていたライナスが、誠にお金目当てではない高潔さと美貌と料理スキルと伸びしろを持ち合わせ、お互い愛し愛される将来が容易に想像できる唯一無二のサブリナを大事な会議を投げ出して追いかける展開と、確かに両想いであると思わせるラストの抱き合うシーンがとても良かった。
それにしてもナタリー・ポートマンはオードリー・ヘップバーンに似ている、と視聴中何度も思った。
トレンディドラマ
【”新たなる薔薇色の人生。”登場人物に悪者は一切いない”粋”が詰まったラブ・コメディ。オードリー・ヘプバーンがハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデンと織り成すロマンティックなシンデレラ物語。】
■富豪で、巨大財閥のララビー家の運転手の娘サブリナ(オードリー・ヘプバーン)は、一家の次男で、3回離婚した遊び人だが明るいデビッド(ウィリアム・ホールデン)への幼い恋心が全く通じずに、パリの料理学校へ行き、2年が経つ。
そして、麗しく美しく成長して帰国した彼女に、今度はデビッドが夢中になる。
そればかりか、デビッドを心配していたララビー家を支える仕事人間の長男ライナス(ハンフリー・ボガート)までが徐々にサブリナに惹かれて行くのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・改めて、今作を観るとオードリー・ヘプバーンの圧倒的な美しさなしにはこの作品は成り立たなかったな、と思った作品である。
・サブリナが少女時代にデビッドに見向きもされずに、恋に破れララビー家所有の高級車全てのエンジンをかけ、自殺しようとしていた時に彼女を助けたライナスの姿。
ー この時点で、サブリナの心の片隅に仕事人間で冷徹だと思っていたライナスが少しだけ入り込んで来るのである。-
■仏蘭西の料理学校で、サブリナが料理を教わるシーンも何だか可笑しい。(卵を割る時には手首が大切・・。)
そして、2年振りに帰国したサブリナを演じたオードリー・ヘプバーンの衣装も含めた圧倒的な美しさには目を見張る。
・で、当然の如くデビッドは彼女に夢中になり、彼女もデビッドと恋に落ちる。
ー その過程が面白く描かれている。
且つてサブリナが羨まし気に見ていたデビッドが女性を伴い、屋内テニス場で遊ぶ姿を覚えていた彼女はデビッドをパーティの時にテニス場に誘うが、デビッドはスーツのポケットに入っていたジャンパングラスが割れて、お尻に大怪我。代わりにライナスがやって来るシーン。ライナスは”弟の代わりだ”と言っていたが・・。-
・ライナスはデビッドにプラスティック事業を任せようとしているが、負傷したライナスに持ってきたプラスティック製のお尻の部分に丸く穴の開いたハンモックにデビッドが乗るシーンも可笑しい。
ー で、サブリナに”デイビッドは?”と聞かれたライナスが真面目な顔で”少し前まで俯せだったが、今は仰向けだ。”と言う台詞も可笑しい。-
・ライナスはデビッドの代わりにサブリナを観劇やレストランに連れて行くが、少しづつ惹かれていったのである。
<再後半の展開も粋である。ライナスは家業の事やデビッドとサブリナの事を考え、デビッドはサブリナの想いが兄、ライナスに移って行った事を察して、粋な計らいをするのである。
矢張り、このシンデレラストーリーはハンフリー・ボガート、ウィリアム・ホールデンという超一級の俳優を虜にするサブリナを演じたオードリー・ヘプバーンの圧倒的な美しさなしにはこの作品は成り立たなかったな、と思った作品なのである。>
オードリーしか
久しぶりにちゃんと観ました。
最初に観た時も同じ感想ですが、
サブリナがパリに行く前と帰って来てからの
違いと言っても、
ポニーテールにチェックのジャンスカでも、
ショートに黒のスーツでも、
オードリーは美しいのでどちらも好きです。
ボガート兄さん、
家の為サブリナの為と言いながら、役得?
デビッドからのキスって?
ボガート兄がだんだん本気になっていく過程でも、画面を観ていると、どうしても理解できない。
何故若くて綺麗なオードリーが‥‥⁉️
と思ってしまう。
お父さんの言葉
リムジンに乗っていても、前と後ろ
含蓄ある言葉❗️
この作品で、くるぶしまでのパンツを、
サブリナパンツと言うようになりました。
これもジバンシイかと。
話の内容より、
なぜハンフリーボガート?
お父さん?おじさん?おじいさん?
との疑問が頭を駆け巡っていました。
Don't reach for the moon, Sabrina
王子に手を伸ばしてはいけない、とイギリスからの移民で運転手をしている父親は奉公先の次男に恋焦がれる娘に釘を指し、恋心を冷まし、かつほどほどに上の階級に嫁げるようパリに留学させる。堅実な策だろう。
ここは新天地アメリカ、階級差など本来は気にされない土地のはずだが、本作品では貧富の差がしっかりとあり、旧世界同様に結婚もビジネスのうちに決められたりする様子が描かれ、少ししょんぼりする。
が、そこはビリー・ワイルダー、しっかりとロマンチックな大団円を用意しているので安心して幸せに浸ることができる。
当時、ヘップバーンは25歳、憧れの次男Wホールデン36歳、おっさんだがしっかり者の長男Hボガード55歳。
こんなに若くて美しく、パリ仕込みの料理の腕を持つ娘が自分を好いてくれれば、嫁にするしかないでしょうよ、奥手のご長男。w
映像、美術もロマンチックだった。
麗しのオードリー‼️
オードリーのための素敵な映画/変わりゆく表情に誰もが釘付けになる。
「ローマの休日」で注目を浴びたオードリー・ヘップバーン
その次回作となったのが夢見る乙女の映画でした。
相手役はハンフリー・ボガード(兄役)と
ウイリアム・ホールデン(弟役)というふたりのおじさま。
映画ではプレイボーイの弟デイヴィッドに恋焦がれますが、
実際でもオードリーはウイリアムに恋をしていたといわれています。
この作品から濃いめのメイクを披露したオードリー
キャメラと照明も、ばっちり捉えてフイルムに収めています。
そして、恋愛映画には甘い歌声がつきものですが、
最初のパーティーで流れる♪Isn't It Romantic? は
激しく恋するサブリナの心情を表しています。
それゆえ、心痛むシーンでもありました。
素朴な出立ちで登場したサブリナはパリで洗練され
とってもエレガントな女性に変身して帰って来ました。
そして今度はサブリナをふたりの兄弟が取り合うのです。
ビリー・ワイルダー監督の作る映画では
男と女の素敵な物語が多くあります。
得意分野といえば得意な方向だと思います。
深い浅いはありますがハズレは少ないと思います。
※
この作品の前の「第十七捕虜収容所」は
骨太の男の映画でしたが、これも良い映画です。
※
道徳的に現代社会では通じない最低のエロチックコメディだと思うが、僕もまだ男の本性が残っていて嬉しかった。
ロマンチックコメディと映画は紹介されているが、エロチックコメディだと思った。初見と思っていたら『ラ・ビ・アン・ローズ』と、ボガードがホールデンを殴るシーンで、ガキの頃見たのを思い出した。親父が『そんな映画見るな』って言ってた。当時、その理由は分からなかった。しかし、同じ事を『お熱いのがお好き』でも言われた。その理由はよく分かった。
ボガートとヘップバーンの実際の年齢差は30歳である。老け顔のボガードと年より若く見えるヘップバーン組み合わせ。ヘップバーンが25歳でボガードが65歳と言っても全くおかしくない。つまり、僕が今65歳だから、25歳の絶世の美女にほれられる、そんな話である。実にエロチックではないか!
老いらく恋人って事だ。今ではこんな話は表向き通じないが、『男は若い女性が好き』と語っている映画だと思う。
ボガードとヘップバーンと言えば、『キャサリン・ヘップバーン』の事と当時の鑑賞者なら誰でも思う。キャサリン・ヘップバーンも美人だろうが、外見だけを比べれば、『オードリー・ヘプバーンの方が奇麗だよ』と誰もが曰う事だろう。僕もガキの頃はそう思っていた。理由は『どちらも綺麗だろうが、オードリーは若いからね』だと思う。完全な性的差別になるのだろうが、この映画はそれが主題。
僕は結局『お熱いのがお好き』と『麗しのサブリナ』2つの映画を見ていた訳だが、『麗しのサブリナ』は、見たのも忘れてしまった映画で、『お熱いのがお好き』は女装したトニー・カーティスがモンローと添い寝する場面を見て、妄想を抱く羽目になる。あの場面は僕の性的目覚めだったと思う。しかし、今は『麗しのサブリナ』にエロチックを感じる。勿論、あくまでも映画の中での妄想であるが、つまり、二本の映画は、それぞれ年齢に応じた性的妄想を僕に抱かせたって事だと思う。また、そもそも、『ラ・ビ・アン・ローズ』って単語が妄想を引き起こす。『バラ色の人生』なんて、凄い表現だと思う。そんな人生あるはずもなく。しかし、それをみんな望んでいる訳だ。年を取るとよく分かってくる。
しかし、あと10年すると僕は『PLAN75』に無理矢理サインさせられる。後はプラックな人生とは言えない人生が待っている。
だから、76歳になっても、妄想を抱ける様な『ラ・ビ・アン・ローズ』を送りたい。
何だこの妙ちきりんな映画は?!
始まって10分でこれは駄作だと思ったから見るのやめようかと迷った。が、見てるうちにたんだもん妙ちきりんな術中にはまってしまった。ストーリーはかなり強引で妙ちきりんでいつパーになるかわからない綱渡りみたいな映画だった。それを俳優たちの絶妙な演技のコントロールでのりきった。脚本家も頑張った。オードリーには周りのものを最大限がんばらせる魔力かあるかのようだ。そしてこの作品もまたオードリー・ヘップバーンの美しくてしかもコミカルな持ち味がなければ絶対に成功し得なかった映画だ。ハンフリーボガートが本当にオードリーの魔法にかかってしまったように見えた。きっとあの男は一生彼女の魔法にかかり続けていることだろう。
ヘップバーンの魅力抽出にエネルギーを取られ過ぎ?
ビリー・ワイルダー作品の中では、
「情婦」「アパートの鍵貸します」が
特に好きだ。
この映画は未見だったが、
オードリー・ヘップバーンの魅力が
全面に満ち溢れる作品だった。
三人の恋模様としては、
会社のための偽装恋愛だったはずが
本当の恋に落ちる兄の心理は解る。
しかし、
弟とヒロインの心の推移は御都合主義過ぎて
はいないだろうか。
弟が兄の気持ちを察したためとはいえ、
どうヒロインへの気持ちを整理したのかの
描写は無いし、
ヒロインが兄の真の心に触れたとしても、
弟への想いをどう断ち切ったのかは
描かれないままだ。
また、「昼下がりの情事」でも感じたこと
だが、若いヘップバーンの相手に
興行戦略上の登用とは言え、
年配過ぎるクーパーやボガードでは
恋愛のリアリティーが欠けてしまい、
映画に没入することに
ブレーキが掛かってしまう。
ビリー・ワイルダーは見事な演出力を発揮
する監督だが、
この作品は、主役の心理を描き切れた
「アパートの鍵貸します」等に比べると、
ヘップバーンの魅力抽出に
エネルギーを取られ過ぎたかのような印象
の作品だった。
麗しのオードリーヘップバーン
男兄弟の無骨さと、言わなくても通じ合う空気感が良かった。
ペップバーンが可愛い
爽やかなハッピーエンド。さすがビリー・ワイルダー監督だ。中盤までで、サブリナとデイビッドが熱々の関係になって、このままラストまで続かないだろうと、誰もが想像できただろう。案の定、想定内の二転三転があって、落ち着くところに落ち着くのであるが、ヘップバーンの可愛らしさに惹きつけられて見入ってしまう映画であった。
ただ、前年に製作された「ローマの休日」に比べると、映画の完成度はちょっと見劣りするかな。また、当時オードリー・ヘップバーンは25歳、ハンフリー・ボガートは54歳。ちょっと歳が離れすぎていないか?弟役のウィリアム・ホールデンは36歳で、恋愛対象としてはこちらの方が自然だ。
ハンフリー・ボガートにとっては「カサブランカ」の8年後の作品であるが、ウィリアム・ホールデンに比べるとちょっと外見が見劣りしてしまう。背も彼より低く、スタイルもなんとなく年を取った感じに写ってしまうのはちょっと残念だった。
<その他>
「七年目の浮気」を見たと言うセリフがあるが、「七年目の浮気」は1955年製作で公開も1955年で、この映画は1954年製作の1954年公開である。どういうこと?ちなみに、マリリン・モンローは1954年は28歳だった。
オードリー・ヘップバーンが歌う「ラヴィアンローズ(バラ色の人生)」(元々はエディット・ピアフが歌っていた)が良かった。他のシーンでもこの曲が上手く使われていたと思う。
天衣無縫のオードリー。 衣装はイーディス・ヘッドからジバンシィへと。
【三人の幼なじみ】
喧嘩をやめてー
二人を止めてー
私のために争わないでー
(河合奈保子/竹内まりや)
このお屋敷のアイドル=サブリナちゃんは、兄ハンフリー・ボガートと弟ウィリアム・ホールデンが自分をめぐっての恋のさや当てで、殴り合いまでやっちゃっていることを気にもとめない。
パリ行きの客船に乗ったものの
「やっぱ、アタシ弟がいいしぃ~」
と言いかねない彼女の奔放さに、一抹の不安の残るエンディングでしたが(笑)
「兄弟の確執」は太古からのテーマですよね。堅物で仕事人間の兄 V.S 遊び人でお調子者の弟。
兄が弟のことを好ましく思っていないこと、又 いまいましくも感じていることは画面からもよくわかる。
しかし、
兄弟仲がそこまで深刻にならなかったのは、弟ホールデンがその天性の明るさからか、兄を嫌っていなかったこと、むしろ慕っていたことによりますね。
⇒ここ、ものすごく重要です。作品の色合いが決定付けられますよ。ふつう自分の恋人サブリナと兄貴のデートとか送り出しますか?
好きな兄ちゃんのために好きな人を笑って譲る弟。
・・こんな可愛い弟がほしいものです。うん。
【脚本は映画の命】
とにかく役者の台詞が小気味良い。
テンポよくキラッと光る粋な会話に惹かれます。
それもそのはず、脚本はワイルダー監督とサミュエル・テイラーの二人で当初は取りかかり、プレッシャーで行き詰まったテイラーのためにチャールズ・ラングを加えて“てこ入れ”しての、三人がかりでの熱筆であったことが、DVDのメイキングで明かされていました。
「ローマの休日」の次作として、ハリウッドがどれだけ力を入れていたことか。(ロケ地のお屋敷はパラマウントの社長宅ですし)。
デビューしたばかりの清純派女優を、宝石のように見守りながら壊れもののように大切に扱う。前作のアン王女のように、男たちはまだ恐れ多くてオードリーに手を触れられない現状。映画界の矜持を感じます。
サブリナには、まだ大人の世界の泥々は早すぎるって。
使用人仲間ならずとも、みんなが、全世界が、オードリー・ヘップバーンの幸せを祈っているのですよ。
・・・・・・・・・・・・・
清涼剤です。
コロナ禍で鬱屈した生活にちょっと元気もらえました。
☆5つ
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