劇場公開日 2010年10月9日

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「何はともあれ、どんちゃん騒ぎ」ナイト&デイ ダックス奮闘{ふんとう}さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5何はともあれ、どんちゃん騒ぎ

2011年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

興奮

「17歳のカルテ」で、繊細に、それでいて緊迫したリズムをもって青春を描き出したジェームズ・マンゴールド監督が、トム・クルーズ、キャメロン・ディアスという2大スターを起用して描く、ひたすら楽しいアクション映画。

ジャンルを軽々と飛び越えていく、軽やかさが嬉しい佳作である。女性の夢を体現するような、年輪を重ねてもキュートな魅力とワイルドな野性味を失わない最強の男、トム・クルーズと、素朴な女性の逃避行。異国の地をド派手に暴れまわる爽快アクション。そして、男の正体を探り出すミステリー。

近年、歴史的な背景を基に重厚に描き出されるアクション大作が幅を利かせているハリウッド映画界。その中にあって、深い物語があるようで、実はアクションの楽しさを純粋に突き詰め、どんちゃん騒ぎを地でいく本作は、思いの外貴重であり、稀である。

主役とともに、脇役陣も光る。静かな、細かな演技は却下、とにかく大暴れしてやりまっせ!という気概が物語に満ち満ちる。それが物語の陽気さを煽り、観客を一気に引き込んでいく力を生み出している。

サングラスをかけ、困った顔をすると、何だかスマートなタモリにしか見えないピーター・サースガードに笑い、とにかく脱ぎたいトム様のナルシスト精神に笑い、とにかく心が落ち着かない。でも、スカッとする。仲間や恋人とお菓子片手に大笑いしてこそ作り手冥利に尽きる、お祭り映画である。

ダックス奮闘{ふんとう}