「これぞ真の続編! 開巻0秒からノンストップのSFアクション大作 [修正]」プレデターズ 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ真の続編! 開巻0秒からノンストップのSFアクション大作 [修正]
実に19年振りの続編である。
製作者R・ロドリゲスは今作品の監督にニムロッド・アーントルを起用。
『モーテル』『アーマード/武装地帯』など、CG全盛の現代において80年代みたいなアナログな映画を作り続ける彼を選んだ辺りからも「俺達は薄っぺらいCGなんかに頼らねェ! 俺達が作るのは1作目のような、血肉を感じるアクションなんだ!!」という製作者の並々ならぬ意気込み(想像です)を感じる。
この人選を聞いた時は成る程と思ったが、アーントル監督は大した実績がある訳でも無い。大丈夫か?とも思っていた。
だがしかし!
アーントル監督、お前さん、遂にやったぜ!!
『プレデター』をTVで観る度、「この傑作は映画館で観たかったなぁ」と思ったものだった。そして嬉しいことに『プレデターズ』はその願いに対してかなりのレベルまで応えてくれる。
舞台は密林、主人公達は戦闘のプロ、音楽もオリジナルを踏襲し、チェーンガンや丸太トラップも登場と、1作目を彷彿とさせるシーンは満載だ。
新たな要素も多い。プレデターの“猟犬”や無人偵察機(ギャグ?)などの新兵器が登場。最後の方では新部族の存在まで明らかに。
しかし今作最大の強みは、主人公達がかなり個性豊かである点。
プレデター達の狩りの対象に選ばれたのは名うての殺し屋達。見るからに強面の奴から一見軟弱そうな奴までバラバラだ。信用しなければ生き残れないのに、誰も信用しきれない。これが最後までサスペンスとなって物語を引っ張る。
A・ブロディ[修正:E→Aですね。英語力不足…]やA・ブラガといった演技派の起用も大成功で、アクション映画では薄っぺらになりがちな人物描写にも厚みが出た。特に一匹狼なブロディが凄ぇカッコイイ。しかもラストでは『戦場のピアニスト』の頃が嘘のようなマッチョ体型を披露。
非情になりきれないA・ブラガも良いし(南米出身の彼女の起用にも理由がある)、L・フィッシュバーンも少ない出番ながら異様な迫力。
あ、日本のヤクザ役のルイ・オザワにも美味しい見せ場が用意されてます。
難点は、1作目を意識したシーンが多過ぎる点と、画作りにややケレンが足りない点か。
しかし人物描写ではこちらに軍配が上がる。ここまで上出来とは正直思いも寄らなかった。
開巻0秒から始まる恐怖のダイブシーンから大炎上のクライマックスまでノンストップ、6420秒間のサバイバル戦を見逃すな!!
<2010/7/10鑑賞>