「叶うまで追うことの意味。」きな子 見習い警察犬の物語 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
叶うまで追うことの意味。
きな子という見習い警察犬のことは、この映画予告まで
全く知らなかった^^;地元ではかなり有名犬だったらしい。
まぁ~その試験風景のズッコケぶりといい、観ている
こちらとしては可愛い限りだが、本人はとても真面目に?
取り組んでいるんだと思う。しかし6回も落ちているとは^^;
素質がない、才能がない、でもどうしてもなりたい!!
という夢を抱える総てに贈る?エールムービーである。
私も犬が大好き派、なのだが、今まで
ラブラドールが警察犬として活躍できることを知らなかった。
あの垂れ耳と可愛い瞳からどうしても愛玩犬というイメージ
を抱いてしまい^^;今作でへぇ~と感心させられたのである。
でもここに出てくるきな子は、警察訓練犬としてよく出来た
犬というワケではなく^^;どちらかというと前述の皆に愛され、
可愛がられるタイプの犬である。まぁ…愛犬家には堪らないv
子犬の頃からの可愛い映像がテンコ盛りで、こうなるのは
分かっているのに^^;涙と鼻水ズルズル状態で鑑賞となった。
ちなみにどのきな子(役)も、文句なく可愛いv
物語はといえば、まぁありがちなストーリー展開で、
実話をベースにしてはいるが、感動ドラマに作られている。
でも俳優と犬たちが共に演技をする中で、生まれる表情や
その懐き具合なども観ていて楽しいものだ。犬だけでなく、
動物は本能にとても忠実で、自分を可愛がってくれる人を
決して忘れない。特に犬は絶対服従的な行動をとるので、
飼う側は言葉を話せない彼らの目や耳となって、身体から
感情面まで推測してあげなければならない。犬のウンチを
題材に、詳しく彼らの健康管理を描いたのは好感が持てる。
しかしこの訓練士というのも、並大抵の根性では務まらない、
大変な仕事なのだということが分かった。
見習い訓練士・杏子(夏帆)が亡き父の後を継ぎ、どうしても
訓練士になりたいと実家を出て、父の後輩だった番場(寺脇)
の訓練所に入り、そこできな子と出逢う。身体が弱く才能に
欠けるきな子に自分を重ね、是非この子を警察犬にしたいと
奮起するのだが、、、それにたいしてきな子は…^^;
「頑張っても頑張っても出来んもんの気持ちなんか…」という
台詞にグサっとくるのは、誰もが抱えるコンプレックスの基が
自分にも当てはまることを実感できるからである。
努力次第でなんとかなるんなら、いくらでも頑張る。
だけど、才能がないっていわれたら…どう頑張ればいいのか。
夢を現実にするのは、並大抵のことじゃない。
娘を厳しく、裏では優しく見守る母・浅田美代子が巧い。
彼女は実生活でもかなりの愛犬家で、自身の飼い犬も
殺処分される捨て犬を保護して引き取ったんだそうである。
犬たちの現実を知ったら、ショップでなど買えません。と
対談で語っていた彼女の知らなかった一面に感動した。
寺脇が演じる所長もかなり口が悪いが^^;その娘役の子が
かなり面白い。この子も物語にいい味を与えている。
(夢は、叶うまで追いかけ続けてナンボのもんだと私は思う)