「怖すぎる」借りぐらしのアリエッティ movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
怖すぎる
当時は映画館で観たが、子供を持ち再び鑑賞。
やはり怖い。
最初のアリエッティと翔との出会い、翔の
「怖がらないで」。いや、怖すぎるだろう!
お別れを言いにきたアリエッティに、
「見てもいい?」と聞く翔にも、なんだか無駄に羞恥心を煽られる。
極め付けはハルさんの、
「みーつけた」。そりゃ怯えるわ。
人間の中には小人を脅かさない翔の一族のような者もいれば、執拗に小人を追い詰めるハルさんのような者もいる。
思春期のアリエッティが、両親の安全第一で「絶対に人間に見られるな」という教えに反して1人で外に出たり人間と交流したり、悪い人間だけではないという真実に出会い憧れるのもわからなくはないのだが、、何度も何度も危険をおかし、父親に母親についているよう頼まれている間もなお、翔に会いにいく。やめなさいって!
その翔すら、アリエッティの同意なく勝手にアリエッティの家の台所を外して取り替えたりと、小人達が人間を恐れるのは当たり前だわ!と納得の展開。
軽はずみな行動を繰り返し、母親がハルさんに捕われ瓶に入れられたりと家族を危険な目にも遭わせてしまったアリエッティが、最後に家族に「私の身勝手でごめんなさい」と謝るところで成長を感じろという事なのか?
父親が、アリエッティの奔放な言動を、認識し注意しつつも、見守り許し、生活力の自立、精神的な思慮深さの成長を促していく関わり方が素晴らしい。
本当にそこしか共感できなかった。
俳優陣が声を変えずに演じているから、俳優さんの顔がよぎりながらのキャラクター達。神木隆之介演じる翔だけが違和感がなかった。
ただし、小人との繋がりからいきいきした気持ちや生きる希望を見つけた翔の心臓の手術は是非ともうまくいってほしい。
そして、トトロのカンタのようなポジションでアリエッティを気にかけてくれるスピラー。この先成就する事を祈るばかり。