「派手に飽きさせない。」マダガスカル3 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
派手に飽きさせない。
シリーズものに難航しているピクサーなどに比べて、
ドリームワークスはバンバン世に出しては成功させている。
「シュレック」「カンフーパンダ」、そしてこの「マダガスカル」
まさか今作がここまで続く?と初めは思わなかったが、
例えば実際にこの3だけを観てみると(1、2を観ていない人が)
何のためらいもなく話に入れると思う。つまりは…単純なのだ。
子供向けアニメのいいところは、明るくてノリがよくて単純な点。
最近じゃ大人向けアニメが多く公開されているけれど、そこへ
連れてこられた小学生などの態度を見ていると、すぐに分かる。
アレ絶対、途中で飽きてますから~!(汗)
子供って正直だから(大人もまぁそうだけど)画面への食いつき度が
ハンパじゃない。子供がムダ口をたたかない作品はつまらないんじゃ
なくて、飽きるスキを与えていない!ということになるんだわねぇ。
ドリームワークスの製作するアニメってほとんどが単純で(失礼)
テンポが抜群にイイのだ。飽きていくヒマを与えずに終わっちゃう。
心に残るか…と言われればまったくそうでもないけど(失礼)
続編をやったら観たいか…と聞かれれば、まぁ観るだろうなと思う。
鑑賞者が何を期待して観るかがリサーチされているかのような、
アタリハズレがけっこう激しい作品の中でこうしてシリーズ化でき、
そこそこの成績が挙げられるというのは快挙だと思うのよねぇ。
…なわけで、今回もまずまずの期待で観てみましたが。
うわ、派手!!ずいぶんと今回は派手になった感じがする。
おまけに(おそらく単純に3Dなのを加味して)かっ飛ばしている!
ストーリーもかなりすっ飛ばして(爆)いる気がしたけど^^;
スピンオフで製作されたペンギンズも相変らずいい味出してるし。
それぞれのキャラが確立されて、今回はアレックスやマーティの
出番を削るほど?ゲストや脇キャラが頑張っている感じがした。
人間キャラも、今回はデュボア警部というトチ狂った女を登場させ
虫のように縦横無尽に地を這わせたり、どこをとっても動物的!^^;
話の内容は特に新味はないのだが、
そういった目玉キャラ(親父じゃなくて)を多数輩出することで、
主人公たちだけじゃなく、アッチにもコッチにも目を向けさせると
いう、飽きさせないぞ絶対に!プランが効を奏した感じが出てる。
音楽はハンス・ジマー。
今回マーティがアフロになって歌い出すフレーズをモチーフに、
ラストでテーマソングとコラボさせてミックスソングに仕上げている。
音楽面でもこういったチャレンジをするのが楽しい。
他にも懐かしいポップスから、E・ピアフの名曲、いま流行のロック
まで幅広く網羅し、耳の方でも飽きさせない。
ここまで盛りだくさんにされると、肝心のお話はどうでもよくなる感じ
(それが狙いか?^^;)もするが、そこはまずまず、あーそうきたか。と
いう、人間だと思い込んでる動物らしく?大団円へと持ち込んだ。
これでおしまいにするんだろうなーという気持ちと、いや、これが
ヒットしたらまた続編を目論むんじゃないのか?という試算とが入り
乱れる、サーカス団の綱渡り経営を地でいくような興行一途の作品。
(しかしこれ、絶対字幕でも観たいよなぁ~。凄すぎるもん顔ぶれが。)