「これぞハリウッドの底力:映画の醍醐味」ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞハリウッドの底力:映画の醍醐味
通常ならエンドクレジットの背景に持ってくる、本篇から抜粋したスチールによるスライド・ショーを、この作品はオープニング・クレジットで見せてしまうという斬新さにやられた。
ブラッド・バード監督、実写映画が初めてとはいえ、アニメで培った技が導入部から全開だ。そのカメラワークとカットの構成が全篇にわたって生き生きとしている。
とくにドバイのタワービル、ブルジュ・ハリーファの壁面を昇ったり降りたりのスタント・シーンにはお尻がムズムズする。
イーサンとテロ組織「コバルト」の首謀者ヘンドリクスによる立体駐車場での一騎打ちも、駐車場の構造がまるでスーパー・マリオの仕掛けのようで、息を呑む面白いアイデアだ。49歳になったトム・クルーズがよく動いているが、「ミレニアム」のミカエル・ニクヴィストも頑張った。
脚本に無駄がない上、ほかの役者もいい。IMFメンバーの顔ぶれには文句なし。ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットンともに演技がうまい。女性暗殺者のレア・セイドゥは幼い顔とのギャップで余計に怖い。
また今回の特色は、けっこう笑える演出が多いことだ。台詞のやり取りや小道具にジョークが光る。これまでのシリーズとは違った路線を走りだした。まさに、貨物列車を追いかけながらの個人照合にはゲラゲラ笑ってしまう。
とはいっても、シリーズの踏襲に怠りはない。前作を偲ばせる伏線がきっちり張られているから、観ていない人はDVD/BDでチェックしてからのほうがより楽しめる。
CGやアクション満載の映像に対し、サウンドは意外に控え目。
コメントする