劇場公開日 2011年12月16日

  • 予告編を見る

「より人間臭くなった我らがヒーロー(ほめてます)。」ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0より人間臭くなった我らがヒーロー(ほめてます)。

2019年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

萌える

ブラントのやりたくなけどやらにゃあならん時の準備体操真似してます(*^^)v。

ドバイでのアクションが売りになっている映画なのだけれども、
何年も経って、心に残っているのは、ドラマパート。

ブラントへの探り合い。
ブラントの、イーサンへの心の距離感の詰めあい方。

ベンジー、初エージェント勤務の”一人前”感覚。
 緊張感あふれる場面なのに、あんなにお腹抱えて笑ってしまうなんて!
 クレムリンでの大写しでも、ドバイの「RedはDead」とかのたもうた時も。
 それを聞いた時のイーサンの嫌~な顔。ルーサーならイーサンを心配し、無条件に頼っていられた。心配なのはルーサーがやるかやらないかだけ。なのに、イーサンをスーパーマン視しているベンジーは「できるでしょ」って感じで言ってくる。しかも不完全。

この二氏を入れただけで、緊張感倍増。
 急ごしらえで、いろいろ事情アリのチームなのに、なんだかんだあって、このチームだからこそのガッツポーズをとってしまうようなコンプリートもありと、飽きさせない。

まあ、チームワークなんてそんなもんだ。初めからばっちり信頼できる仲間と組めるなんてそうそうない。相手もプロだと信じて、人知尽くして天命待つなんだろうな、何事も。

イーサンの格好良さを見に来たはずなのに、
スパイ映画としてハイテク機器を使いながらクールに任務を追行する姿を見に来たはずなのに。
 あれ?手に汗握る人力。とてもつない人間臭さ。
 でも、それがやみつきになる。

さすが「Mr.インクレディブル」の監督。

シリーズ3で家族を持ったイーサン。
 なのに、なぜ?ここにいるか?と度肝を抜かれるオープニング。
 そして、徐々に明らかになる、3~今作までのイーサンの生活。
そして、シリーズ3で教え子を失くしたイーサン。
 だからなのか、シリーズ最初~3までのような、周りの意見を聞かずに、周りを巻き込んでぐいぐい責めるイーサンはいない。
 世界の人々を危険にさらさないためのミッションを、自分の命・体の危険を顧みず、やらなければいけないことをこなしていく姿勢は変わらねど、”インポッシブル”を際立たせるだけの演出ではなく、仲間の個性が際立つような演出に変わった。

「妻を守るのは僕の役目だ」
 失敗が心のしこりになっていたのに、それを許されるどころか、信頼されるって嬉しいし、幾回りも心の器が大きくなったイーサンに、何度も惚れ直してしまう。

そんなところも何度も見直したくなる肝。

そんな風に、”味方”のドラマは丁寧に描かれている。
反面、”敵”キャラは、1のマックスを越える人物がいないのが寂しい。

悪役を演じられたニクヴィスト氏は勿体なあと思う。
 3でも、マーサン氏やホフマン氏がもったいなかったけれど、最近は”世界悪”の書き方って難しい。

そんな中でも、女殺し屋として登場したセドゥさん。
 わずかなシーンながら、目を引く。その後、日本でも彼女の主演作がたくさん公開された。相変わらず、トム様の映画に出た後ブレイクする女優・俳優が枚挙にいとまない。俳優としてだけではなく、目利きとしても優れていらっしゃるんだなと感服。

そして、やはりこのシリーズを他にはないものにしているのは、トム様のアクション。
 ドバイのスタントはびっくりしたけど、一番心臓に悪かったのは、振り子で部屋に戻る時、イーサンが窓枠におでこ?(顔?)ぶつけて落ちそうになる場面。あわてて3人で押さえて部屋に引き入れますが、心臓止まりそうになりました。後で考えるとあの場面はセットで、背景CGだと思いますが、多分トム様は本気で顔ぶつけていると思う。目じゃなくて良かった(ほっ)。
 このシリーズで毎回書いてしまうけれど、お体だけは気を付けて。

 もうどれをとっても最高です★★★★★。

とみいじょん