「凛々しいお姿」トゥルー・グリット aceさんの映画レビュー(感想・評価)
凛々しいお姿
西部劇、日本では時代劇。
日本の時代劇は年に何本か作らないと、文化遺産がなくなってしまう。
時代劇を創らないと殺陣師、立ち回り、美術、衣装などなど
時代劇を創るための技術が消えてしまう。
それら職人たちが消えてしまったら、再興するのは困難だ。
だから細々とでも時代劇の灯をともし続けなければならない。
といっても最近、時代劇が多く創られているような気がする。
西部劇も同じような状況なのだろうか。
本作はリメイクとのこと。
ジョン・ウェインのアイパッチは記憶にあるが、マカロニ好きなので作品は観てない。
父上の仇を討つ娘マティ・ロス。なんと凛々しいお姿。
彼女を見ただけでこの作品はいけると思った。
彼女は凛々しいだけでなく、交渉力も卓越している。
その交渉は、日本の政治家のように寝技ではなく直球勝負。
自己の信念を貫く。あれは交渉ではなかったのかもしれない。
交渉とはお互いに歩み寄り着地点を見出すものだ。
でも、マティ・ロスは歩み寄らない。最後にちょこっと寄りついて交渉成立。
あれは信念と交渉の戦いで信念の勝ちだったのだろう。
そんな彼女だから飲んだくれの保安官が従うのだ。
タバコを巻くのがうまいのも飲んだくれの心をつかんだひとつの要因かもしれない。
カワイイとか美しいとかではなく、意志の強さが映像からせまってくる。
それがあるからヘイリー・スタインフェルドはオーディションを勝ち残ったのだろう。
ヘイリー・スタインフェルドの25年後は見たいが、マティ・ロスの25年後は見たくなかった。
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