「若い人はちょっと無理では?」トゥルー・グリット うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
若い人はちょっと無理では?
「勇気ある追跡」のリメイク。
ジョン・ウェインがアカデミー賞を獲得した名演の映画らしいですが、私は観ても何も感じなかったのです。なので、今作もいただけませんでした。
老保安官と、復讐心に燃える少女の奇妙な関係が斬新で、生き抜くために清濁併せ飲む追跡劇は、想定外の事件の連続です。
それゆえ、少女目線で物語を追っかけると、どうしてもコグバーン保安官のことを好きになれません。
したたかに交渉し、父の仇をとりたい一心で旅にでて、大きな犠牲を払ってその目的を果たす。
そこに、父への愛情とか、仇への憎しみ、味方との交流、命懸けのスリル、などのエモーショナルな描写は最低限しか含まれていません。およそ半世紀前に作られた映画のドライな描写そのままです。
原作ファンがいるのであれば、その忠実なオマージュぶりに納得はしたかもしれません。
本当に「勇気ある追跡」の雰囲気をそのまま踏襲したような作りになっています。
近年の、エンターテインメントな映画に慣れている人はまったく受け付けないと思います。
私には、すこしドライ過ぎました。
2014.6.13
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