「ジョニー・トー節全開」冷たい雨に撃て、約束の銃弾を 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョニー・トー節全開
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お馴染みの面子。お馴染みの復讐劇。お馴染みのスローモーションの美学。
いきなりの惨劇から始まるジョニー・トーの世界。
お互いの素性が解らず、言葉少なに対応するも、娘の残した素材でもてなす。元闇の世界を知るシェフと殺し屋3人組。
料理を通じての氷解は、『エグザイル〜絆〜』での空き缶を、今回は古自転車に見立てての銃撃へと続く。
相も変わらずのジョニー・トー印。余計なセリフは一切排除しての画面構成が続いて行く。
『エグザイル…』の時は得意の銃撃戦も、上下左右を奮段に生かし。狭い部屋の中でも、仕切りやカーテン等を同時撮影のマルチ撮影で捉え、巧みな編集によってより効果的に仕上がっていた。
それから言うと今回は、原っぱでの銃撃戦等が多めな為に、なかなか効果的なカメラアングル等を決められ難い状況だったか?立方体を使用しての効果も、映画としての興奮度はやや薄味に感じた。
前半は復讐劇としてだが、後半ではそれに弔い合戦の様相を呈する。
少し残念だった点としては、数では圧倒的優位な立場に或るヤクザ側の悪役達が逃げ惑うクライマックス。
やはり主人公側が窮地にならないと、映画としての興奮度は盛り上がりに欠ける点でしょうか。
(2010年5月25日楽天地シネマズ錦糸町/スクリーン4)
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