アウトレイジのレビュー・感想・評価
全138件中、121~138件目を表示
全員悪人、全員…バカ
全員悪人で全員愚か。
まあ夏の花火かなんかのごとく生き急ぐこと、生き急ぐこと。
しかもちゃんと、死ぬことを恐れてもいれば、痛いということもわかっていて、裏切ったり、逃げたり、逃げそびれたり。アウトレイジの人たちは、みんなこうなのかね。
まあメカ村瀬とニヤニヤ水野がみれたから大満足だ。
大友も確かにカツゼツ悪いしセリフ聞き取り辛いけれども、かっこいいな、と思った。
エンターテイメント中のエンターテイメント!
見終わって疲れました。
う~んと唸る感じの作品の印象です。北野作品は、良く見て内容の難解さにやられてしまいますが、今回は至ってシンプルなのではと思います。
独特の描写の見せ方は異論はありますが、自分的には有りだなと思いました。
でも、全篇ほぼ・・見終わった際には疲れました。ただ、脇を固めているキャストの演技力にも救われた感はありました。
任侠ファイナルデスティネーション
北野武監督の作品は毎回まったく違った味の映画になるから面白い。
今回も、これまで何本もバイオレンス映画を作ってきたというのに、まるで違う印象の作品を作れるのだから恐れ入る。
今回は観終わった直後、『こりゃ任侠ファイナルデスティネーションだ!!』という変な感想が頭に浮かんだ。
誰が、いつ、どんな死に様を迎えるか。
この映画でそれを予測するのはかなり難しい。油断していると0.5秒後には恐ろしい事態が待ち構えている……それを開巻15分くらいの“カッター指詰め”で思い知らされてからはもう緊張と恐怖の連続。
この緊張感はもはやスプラッタ(血しぶき)ホラーの領域だ。同情したくなる方々があまり登場しないので心が痛まないという点もアメリカンホラーに近い(笑)。
しかも『OUTRAGE』は、並のスプラッタホラーでは到底太刀打ちできないくらいに……痛い。
とにかく痛い。
観てるこっちの方が「ぎゃー!!」と叫びたくなるくらいに、情け容赦無く観客の痛覚を刺激する。
指詰め割り箸カッターナイフ、首折り歯医者に中華包丁……
イヤイヤそこまで見せなくても!!と顔が引きつるくらいの出血大サービスにアナタは叫ぶか黙るか。
この映画を気に入るかどうかは人次第だが、最低1ヶ月は歯医者に行く気が失せる事だけは保証します。
同情できるキャラが少ないと先に書いたが、北野武演じる大友は、部下達を逃がそうとしたり「貧乏クジばっかりだよ…」と諦めたように愚痴ったり、この映画で唯一人間味を感じさせる人物。
サウナで銃をブッ放すシーンでの「やってられっか、こんな仕事」とでも言いたげな表情が印象的。
“上司”連中の手前勝手な事情にさんざん振り回され、利用されるだけ利用された挙げ句に捨てられる彼の行く末は悲惨だ。彼も度を越えた悪党には違いないし、映画を観ている最中はそこまで哀れには思えなかったが……こうしてレビューを書く為に各シーンを思い出していると、彼がなんだか無性に気の毒に思えてくる。職業は違えど同じ立場の人間は今も沢山いる訳で。
義理人情を重んじる人間は消え、狡猾な連中だけが生き残る……今に始まった事じゃないが、全く世知辛い世の中です。
鑑賞直後はさほど『良い映画』とは思わなかったのだが、強烈なインパクトを残す画や台詞が多く、なかなか頭を離れない。1週間経った今になって「なんかもう一回観たいなぁ」という気にさせる不思議な映画。
<2010/6/12鑑賞>
口を開けば「バカヤロー!」、これは喜劇か?
北野武の映画はTVでしか見たことがない。今回は、予告篇を見て面白そうだったので初めて映画館に足を運んだ。
ヤクザという大きな組織の中で生き残るための騙し合い、しかも水面下で謀られるはずの攻防が、フタを開けてみれば見境のないドンパチの連続。
おまけに、どいつもこいつも、口を開けば「バカヤロー!」。
これは喜劇か?
結局は、痛みを伴うヤツが馬鹿をみて、頭のいいヤツが生き残るって、ありきたりでつまらない。
椎名桔平がひとり気を吐いていた。
これは往年の東映名作「仁義なき戦い」とは似て非なるもの。
見終わった後に、、、。
『ソナチネ』的な一種のダンディズムとか孤独感とかそういったメンタルに訴える部分を完全に排した作品。北野監督自身の持つ最もダークな部分だけに極限した表現を試みたように思えるが、それが今現代のさまざまな世相を、「暴力」という切り口で俯瞰的に皮肉っているようにも思える。観ている時よりも観終わった後に、監督の映像力のようなものがひたひたと沸きあがってきた。ひとりひとりが惨めに死んでいくありさまは往年のヤクザ映画を思わせるようでもある。異常にリラックスした椎名桔平の怪演が印象的。
おれは好き
北野映画はバイオレスすぎて嫌がる人も多いが、今作もかなり多い。
今回は殺し方がかなり凝っていていろんな趣向を凝らしているよね。
それになんといっても俳優陣が配役が最高にいいよね!
それにしても、たけちゃん歳とったなぁ…
あ~、怖かった。
キタノタケシ流ヤクザバイオレンス。
きっと、怖いだろうな~。
きっと、目を瞑ったり、下を向いたりする残虐なシーンがあるよね~。
と、思いながらも、予告編で見たキャストに惹かれて見に行ってしまった。
案の定、目を瞑ったり下を向くこと数回。
ヤクザの世界で良い?!のは、義理人情に篤いこと。
でも、この映画は、そいうのじゃなくて、敵対する小さな組への報復。
自分の力を誇示するため、殴る、蹴る、怒鳴る、暴言を浴びせる、脅す。
自分だけが大事で、親子の盃も、義兄弟の盃も、いざとなりゃあ、そんなもん関係ない。
プライドを守るためなら、殺人だっておかまいなし。
だって、「OUTRAGE」極悪非道。
全員悪人だもん。しょうがないか。。。
報復には、報復。
終わりがない。
暴力は、やっぱり悪いんだよ。
良いものは生まない。
タケシ演じる大友の言葉。
≪アンタがやれって言ったんだろ~!!≫
この作品中のヤクザの縦社会なら、さもありなん。
でも、普通の会社でも、責任のとれない上司を見かけることがある。
テレビに登場するそんな上司には、腹が立つ。
草食系の典型の加瀬亮さん、インテリやくざぶりが良かった。
三浦友和さん、耐え忍ぶ表情が良かった。
普通のヤクザ映画です
決して退屈することはありません
テンポよく暴力が飛び出してきますから
なんか、かたぎの人から見たヤクザのイメージ通りに極悪非道めちゃくちゃです。
ラストシーンまで予想通りに進んでいきました
映画祭で外国人記者から受け入れられないこともあったと記事などにありましたが、ごく普通のヤクザ映画です
有名監督の作品でなければ、そんなに話題になることもないのでは???
昔の文太や辰ちゃんなどの映画でも結構ドンパチやってますよね
アウトレイジは、やっている俳優陣が豪華なので、とても楽しめます
会長だけ湾岸署から来てしまったようで若干違和感ありですが・・・
普通に楽しめるヤクザ映画でした
新しいヤクザ映画です!
今回は、たけし映画では常連の寺島進さんや個人的に好きな
大杉漣さんが出ていないのは残念でしたが、みなさん大物揃い
のキャスティングでした。
映画は「面白い」です(笑)
ヤクザの世界、本家の傘下にある2つの組の権力闘争から、
最後には本家にうまく・・されていたという内容ですが、
個人的にはこれは、バイオレンス映画だっけ?と思うくらい
あちこちに「たけしさんの笑い」がツボが同じ人には
たまらないと思います^^
「全員悪人」というコピーで宣伝されていますが、
「全員悪ガキ」と言った方がしっくり来るような、やりとりや問答が、笑えます。
中野さんのカッターのシーンや、石橋さんの歯医者のシーンはお気に入り。
新しい笑えるヤクザ映画、是非一度観てみてください。
blogへも遊びに来てみてください!
エンターテイメント作品
この作品は初期作品のように説明を極端に省き、映像だけで語り、哲学的なカットや映像の詩と言われた美しいキタノブルーの悲愴感はなく、徹底的に単純に楽しめるエンターテイメントに仕上がっている。
初期作品の暴力映画は静かでバイオレンスシーンも突発的で一瞬だ。
独自の映像表現と実験性のような前衛映画のような感じさえした。
『3ー4X10月』なんてのはその代表作だ。
北野武の最高傑作と云われる『ソナチネ』と比較されるのを嫌った北野武だが、まさに全然違う作品である。
とにかく台詞が多く漫才のようなテンポの良い怒鳴り合い等、今までの北野映画では見れない楽しみがある。
みんなが主役のようでサバイバルのような感じも楽しめる。
椎名桔平は相変わらずカッコよかった♪
女性は苦手かもしれないが、男性は好きな世界観かもしれない。
とにかく単純に楽しめるエンタメになっている。
潔いバイオレンス・コメディ
北野武が暴力を武器に、笑いに、映画を心底楽しんでいる。もはや巨匠の域に達した世界の北野が、軽く息抜きをするように映画を楽しみ、愛し、遊んでいることが伝わり気持ちいい。痛すぎて笑える暴力映画である。歯医者のシーンは暴力映画史に残る名シーン!
命を大切に!
ワルぶりがハマっている俳優たちのおかげで,
威嚇のオンパレード,サバイバル群像劇に見応えを感じて,
ひさびさに,北野作品で退屈せず。
魑魅魍魎だらけの破滅の道を淡々と描きだした今作は,
意表を突いた残酷シーンや,オープニングの映像など,
印象的な場面も幾つか。
武さん,これからは
タランティーノ路線を狙ってるのかな?
生々しいですね~
暴力団の話であるが、警察と癒着関係であり、拳銃のシーンが多数あります。
指をつめるシーンでは、血が生々しく感じ、怖かったです。
その人物に関わる恋人まで殺して、この映画で一体何人死んだのでしょうか!?最低でも10人。
これが暴力団の現状である・・・とまで言いませんが、警察との癒着はあるでしょうね。
どうだ!オイラが本気を出したら、こんなに凄いんだぞぉ~というところを意地でも見せつける北野作品。
おふざけが過ぎたり、シュールだったりで『座頭市』以外北野作品はスルーしてきました。たまたま当選した本日の東スポの試写会で、余り期待しないで参加した次第です。
音響施設の素晴らしい新橋FSホールということもあり、バイオレンスとして迫力満点!ほぼワンシークエンスの3分前後に1回は、人が殺されたり、指が詰められたりとバイオレンスなシーンが続々展開し、画面に惹き付けられるのでなく、逃げ出したくなります。描写のリアルで凄惨なところは半端ではありません。
そして肝心の悪い奴らの悪賢さは、もう底なし酷さ。ヤクザといえどもうかうかしていると、さっきまで、池に落ちた犬をたたいていたかとおおもうと、次のシーンでは、立場が逆になっていたり、さらにそれを指示していた陰謀の主すらも、油断したところを填められてしまうのです。最後に笑う人物、そして生き残る人物は、意外でした。
陰謀が渦巻くなかで、かろうじて主人公のヤクザだけは、刑務所に逃げ込み、追及の難を逃れます。しかし、そこにも思わぬ伏兵が待っていて、自分が捲いた抗争のタネの因果を負うはめになります。冒頭からラストまで伏線の張り方も緻密で、複雑。
シュールなところもなく、北野作品としては珍しく徹頭徹尾エンターティメントに徹しています。ビートたけしが出演しているのに全く笑いを取らないのも珍しいのではないでしょうか。それくらい北野監督が、執念で売れ線のバイオレンス作品を仕上げたといっていいでしょう。それは決して大衆迎合でなく、これまで培ってきたポテンシャルを総動員して、原点に回帰し、どうだ!オイラが本気を出したら、こんなに凄いんだぞぉ~というところを意地でも見せつけんがために、メガホンを執ったような意気を感じました。
まぁカンヌでは賞取りを逃しましたが、観客からスタンディングオペレーションを得られたのは納得できます。伊達にカンヌで賞を取る作品なんて、これまでの北野作品のように、なかなか一般受けしないですからね。
本作がこれまでのヤクザ映画と違うところは、義理も人情もないというところです。今までのヤクザ映画は、組対組の抗争でしたが、本作ではしのぎのために手段を選ばず、兄弟分すら叩き潰す、一つの広域暴力団内部の骨肉のつぶし合いが描かれることです。
近親の関係にある者が争うだけに、感情の高ぶりも半端ではありません。超豪華な俳優陣を並べて、膨大なセリフの量と凄まじい怒号が飛び交うど迫力に北野監督の真骨頂を見る思いでした。
表向きは、薬を売買している組は許さないといいつつ、ホンネでは配下の組の所場をいかに因縁つけてかすめ取るか計略を巡らす山王会組長の関内(北村総一朗)のタヌキオヤジぶりねなかなか。それを支える律儀な若頭の加藤(三浦友和)の変貌した姿には驚かされます。
また関内の計略に翻弄される大友(ビートたけし)が従順から、ヒクヒクと反逆へ転じる顔つきの変化が、たけしならではの演じ方だと思います。
また大友組の組員役の加瀬亮や椎名桔平らの迫真切れ演技が凄い!繊細な役柄が多かった加瀬だけに、その切れ方には北野監督も大絶賛を送ったそうです。加えて、椎名の張り詰めた表情は彼の主演した『レイン・フォール/雨の牙』よりも本作のほうが締まっていました。
ところで笑いの少ない本作で、唯一ユーモラスな存在が、大友の後輩でマル暴担当刑事の片岡(小日向文世)。同僚の前では、強面なのに一度サシになって対面すると、とたんに大友にへいこらし始める軽さが可笑しかったです。但し、片岡も単にヤクザから金を巻き上げるだけでなく、一連の陰謀に荷担しているなかなかのワルなんですね。
以上、北野作品を敬遠してきた人にも、本作は自信をもってお勧めできます。小地蔵に騙されたと思って、見てください。
ださい生き方
OUTRAGE:エキサイトの翻訳クリックしたら「暴挙」と出ました。
暴挙をググったら、「乱暴な振る舞い。不法な行動。無謀な企て。」と出ました。(by大辞泉)
ふむふむ。
そうです、その通りの映画です。
初期の「その男凶暴につき」とか系統の。
でも、なんか違う。
丸くなってる。
そして、ずるがしこく。
そんな気がしました。
痛いシーンがところどころあるので、みていてあんまし気持ちよくは無いです。
そして、決してかっこよくも。
なんて、ださい生き方なんだと。
自らの最大の美点を排除して、空虚な作品に
北野武久々のヤクザ映画だったが、陰惨な処刑シーンとオッサンたちの怒鳴り声だけが印象に残る、実に空虚な作品となってしまった。北野映画の最大の美点は「沈黙」にあったが、本作ではそれを意識的に排除したために映画的強度を失ってしまった。「ソナチネ」「HANA-BI」では息を潜めて見た暴力も、本作ではただ「ハイハイ、そうですか。相変わらずお好きですね」とやり過ごすのみ。ラストシーンも「その男、凶暴につき」の二番煎じで才能の枯渇を感じてしまった。無理して撮ることないですよ。
全138件中、121~138件目を表示