「母は度胸。息子は愛橋。」しあわせの隠れ場所 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
母は度胸。息子は愛橋。
この物語は実話をベースにしているそうだ。
全般にスポーツ関係に疎い私はもちろん知らなかったが^^;
2009年のドラフトで1巡23位指名でレーベンズに入団が
決まったNFLマイケル・オアー選手の道のりを描いている。
こういう話を「美談」と言いきってしまえば終わりだが、
エンドに出てくる実際の彼の笑顔を見ると嬉しくなった。
感謝すべきは神と自分の才能以上に、彼は家族である。
父親も分からない、母親は麻薬中毒、親から引き離され、
一時はホームレスにまでなった黒人青年を、ふとした出逢い
から家に招き入れ、果ては養子にまでしてしまう白人一家。
いくら裕福だからといって?俄かには信じられない話である。
となると…計画的だったのか?なんて意地悪な憶測をされて
しまうのも致し方ないかもしれない。全くあり得ない話では
ないそうだが、そこまで他人を信じるか?の思いに終始する。
初めて彼を泊めた夜の夫婦の会話がいい。
「…大丈夫よね?なにか盗んだりしないわよね」
「明日の朝になれば分かるさ、それに一晩だけなんだろ」
「…。」
「…違うのか?」
この奥さんは、とにかく突っ走り系で自己信心力がスゴイ。
彼女がなぜ、彼に目をつけ、彼を引きとり、彼を養ったのか、
それは彼女にしか分からないことだが、なにか直感?的な
ものを感じたのだろうか。ともあれ、それは見事に当たる。
徹底して彼女になりきり、髪を染め、ボディコンに身を包み、
セレブ女性になりきったS・ブロックの素晴らしい演技。
つくづく強い女が似合う女優^^;だと感心するが、完全に
役を自分のものにした勢いがあり、オスカー候補も納得。
(しかも受賞した!おめでとうサンドラ!)
コメディもシリアスもこなせる彼女のセンスあってのものか。
こんな母親なら^^;マイケルのタックルなど怖くもないだろう。
彼の才能を信じ開花させた意味では本当に素晴らしい女性。
それを信じて助ける家族たちも素晴らしい。可愛い息子(爆)
理解ある夫と娘(F・コリンズの娘)の惜しみない協力もすごい。
本人役のQ・アーロンの自信なさそうな目が何ともいえない^^;
いかにも彼が「はなのすきなうし」だということが顕れている。
確かあのシーンでもう一冊「かいじゅうたちのいるところ」が
映るのだが、選んだのが、はな~というところが彼らしい。
(言葉遣い、素直さ、優しさ、奥ゆかしさ、そして保護能力☆)