劇場公開日 2010年7月31日

  • 予告編を見る

「アンジェリーナ・ジョリーの顔の存在感」ソルト ts-39さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アンジェリーナ・ジョリーの顔の存在感

2010年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

イブリン・ソルトの真意はなかなか明かされないし、アンジェリーナ・ジョリーの善にも悪にも見える稀有な顔も手伝って、中盤で焦点がぼやける感があるかもしれない。しかしこの映画で本当にぶれない点は、学者である夫のマイクはイブリンのすべてを受け入れて愛し、イブリンもまたそんな純真なマイクを心から愛しているということなのだ。ほとんど登場しないマイクこそが、イブリンを心ある人間の世界に引き戻したのだ。そこを理解しないと、なぜイブリンが夫をあれほど必死に探そうとするのかが分からなくなる。ほとんど荒唐無稽ともいえる無敵ぶりではなく、マイクと一緒の場面のイブリンの笑顔を見れば、スパイとしての強さの裏にある本当の心が見える。それを演じるのに、アンジェリーナ・ジョリーほどふさわしい面構えの役者が他にいるだろうか。
確かにこれはアンジェリーナ・ジョリーの魅力に負う部分が多い映画ではあるが、それで良いのだ。「チェンジリング」の母親に並ぶ、圧倒的な存在感があるのだから。

ts-39