劇場公開日 2010年7月10日

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「人生終焉の地を求めて」必死剣鳥刺し マロピさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人生終焉の地を求めて

2011年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

一人の男の死に場所を求める旅、とでも言おうか。
まるで司馬遼太郎「燃えよ剣」の土方歳三のような。
そんな男の生き様を日本らしい時代劇で見せる。

時間軸を行ったり来たりしながら主人公の人間性を見せる。
そして、行為に走った背景を見せる。
見てる側(我々は)は肩入れしたくなるのがどちらかは明白だ。
忠義を差し置いても大切なものはなにか。

しかし、最後に向かうシーンは残酷でありながらも非常にリアル。
こんなことは当時や今の社会生活では弱肉強食は日常茶飯事であろうし、主人公も半ば分かっていたかも知れない。
やはりそうだったか!という表情としてみるか、まさか!という表情にとるかは見てる側の自由だ。
その選択を与えてくれる演技をした豊川悦司は見事。
そして個人的に肩入れしてしまう別家・吉川晃司も見事な殺陣。
吉川晃司は、役者としてスクリーンに出たときは目力が良い、目の動きでその人を表すのが上手い。
殺陣以外にも別家の義を見てしまうため、主人公とどうして!と言いたくもなるが、そこは最後のカタルシスのためには必要というもの。

全体的には静かな展開で進むものの、日本劇のよさを改めて知る佳作でした。

マロピ