「「もちろん」ではなく「努力する」という答えに人生の重み」新しい人生のはじめかた マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
「もちろん」ではなく「努力する」という答えに人生の重み
言ってしまえばどうということのない内容なのだが、この作品の持つ魅力は、ある程度、年齢がいった人でないと解らないかもしれない。
ダスティン・ホフマンも、なんで今さらこんな中年の恋愛映画なんかにと思わないでもなかった。ところが観てみると、彼でなければ出せない味があった。歳はいっても恋愛感情はあるし、新しい出会いだってあり得る。「卒業」で人の花嫁を奪った若者も、今では、頭には白いものが混じり、顔には皺も増えたけど、前に進む力はまだまだ残っている。そんな物語だ。
血気盛んだった「卒業」のベンジャミンと違うのは、ケイトに、ずっと(私を思う)気持ちが変わらずにいられるか訊かれたときの答えだ。「努力する」。この一言に、彼の人生の重みを感じる。
別れたカミさんをキャサリン・ロスが演じてたら面白かっただろうね。
冒頭ではコロンボみたいな風体だったハーヴェイも、ケイトと出会ってからは、ベンジャミンだった頃を思い出すように若々しくなっていく。
ケイトの過干渉な老いた母親(アイリーン・アトキンス)が、道化役となって要所要所で笑わせてくれる。
今回の原題もヒドいね。もう後がないってなタイトルだ。邦題は前向きでいい。
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