「親子三代」武士の家計簿 bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)
親子三代
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算盤侍の家系で三世代の物語。二本差しは習いにしかなく、算盤が命の家系。
財政や経費の知識があるから借金しない、家財を売って金策する。江戸末期、武士よりはるかに商家が富んでいたこの時代にこれは立派。さらに、他の武士なら宝になりそうな脇差も売り払う。ここに未練がないのもすごい。
質素倹約は徹底していて、弁当箱はなくなり彩り豊かな弁当は、竹の皮に包んだ握り飯と芋に変わっていく。鯛の絵を並べた祝膳も含め、家族が不平を言うでもなく、むしろ楽しんで工夫していて、悲壮感なくなぜかホッとする。
森田監督の淡々として味のある演出に出演者がそれぞれのピースにうまくはまっている、そんな作品。算盤をはじくようなタッチの音楽も絶妙。
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