「俳優の演技に圧倒された」プレシャス タカリコさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優の演技に圧倒された
クリックして本文を読む
試写会行ってきました。
前評判が高かったので期待して行きましたが、評判どおり見応えのある作品
でした。
16歳のプレシャスは父親にレイプされ妊娠、それが原因で母親から酷い虐
待を受けている。
それでも彼女は夢見る事を止めない。
子供と一緒に暮らす為、母親として恥ずかしくないような教養を身に付けよ
うと努力する。
プレシャスを演じるカボレイとその母親を演じるモニークの存在感と演技力
に終始圧倒されっぱなしでした。
プレシャスの過酷な日常が描かれているのに決して救いようの無い暗い雰囲
気にならないのは、プレシャスが辛い目に遭った時、現実逃避するように理
想の自分を夢見る楽しいシーンが随所に盛り込まれている点と、本音で付き
合えるフリースクールの先生とクラスメイトの存在、そして何よりプレシャ
ス自身が子供の為に自分を変えようと努力している前向きな姿勢にあると思
います。
ソーシャルワーカーを交え、母親と三者面談をする場面。
母親として女としての本音や葛藤を吐露するモニークの演技はアカデミー賞
受賞が納得出る熱演でとても印象に残りました。
面談で母親の事を初めて理解したプレシャス。
去っていく母と共に夢の中の理想の彼氏とも決別する彼女にもう一度人生を
やり直そうとする強い決意を感じました。
カボレイは殆ど演技初挑戦という事ですが、本当にアメリカの何処かで今も
プレシャスが生活していると思える程のリアリティーがある演技でした。
父親からHIV感染してしまったプレシャス、二人の子供達との生活がこれ
からどうなるのか、気になって仕方ありません。
コメントする