「理想の夫婦に。」僕と妻の1778の物語 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
理想の夫婦に。
ゲゲゲ~を観た時にも感じたことだったが、
どうすればこんな風に、夫のやりたいことをしっかり
理解できる妻になれるんだろう、妻に対して真摯に
向き合える夫でいられるんだろう、と羨ましくなる。
互いが互いのことを想い、切ないまでに尽すのだが、
そこに無理や強制を感じない(疲労はもちろんあるが)
こんな仲睦まじい夫婦になれたら、と誰もが思うだろう。
病気で急逝するなんてとても哀しいことだが、終生、
大好きな相手と幸せに暮らすことができたのである。
結婚して良かった。この人とまた一緒に暮らしたい。
なんて、人生の終わりに思えることはまさに理想だ。
学生時代から付き合っていた二人、とあって
お互いをよく分かっている(特に妻は)から、新婚旅行
がボツになろうと^^;そこに後悔すらない。夫の仕事を
最優先に妻が支えていた生活というのがよく出ている。
草なぎくんは何というかこういう…オトコを感じさせない
役作りがうまい(実際にまったくオトコを感じないが)
年下だろうに、どう見てもお姉さんに見える竹内結子が
寝たきりになる最後の最期まで献身的に家事をこなし、
彼の原稿に幸せを貰い、笑顔で過ごすのも微笑ましい。
いちいち泣かせよう、という演出がないのが却って良い。
実際にはこんなに簡単な毎日ではなかったと思う。
辛い日々もあったろうが、そこをSF作家のファンタジー
として成立させ、不思議な世界観を持たせている。
確かに笑うことには免疫力を上げる効果がありそうだ。
実際には友人・谷原(今回いい感じ)がいうように、投薬
効果があっての奇跡だったかもしれないが、私はそこに
夫の原稿をいつまでも読んでやる!という妻の心意気を
感じずにはいられなかった。あれだけ夫を応援したのだ。
夫が自分に向けて仕事をしているのに、おめおめと死ぬ
ワケにはいかない!本当に気丈でパワーのある女性だ。
よく、
僕には(私には)これしか出来ないから。という人がいるが
それしか出来ないアナタを誰よりも愛している相手がいて
それだけを真摯にやってくれたらゼンゼン大丈夫、という
事がある。だって何よりそれが出来るアナタを好きになり、
それをしているアナタを見ている自分が幸せなのだから。
本当に相手を好きになるのは、そんなたまらない想いを
自分に抱かせてくれる人だからなのである。いつだって…
(積まれた原稿に一番感動した。奇跡を生んだ原稿だから)