「魅力あふれる喜劇」モリエール 恋こそ喜劇 あま・おとさんの映画レビュー(感想・評価)
魅力あふれる喜劇
かなりよい映画だった。恋愛、理想と怠惰、自己中と人への愛、強さと弱さ、哲学や感情、いろんな要素があり面白い。それでいて、バランスがよく軸もしっかりしているかと。
結果的には、ゆるくラク〜に楽しく観られ、それでいて見終わる頃には気持ちをアップさせてくれるという、なかなかすぐれもの。わたしは人にも広くオススメしやすい作品だと感じる。
とはいえ中味は貴族の不倫もの。そんな内容でもこの映画のスタンスはなかなかレベルが高いと思う。だらしない人間たちを上から目線で散々笑ってコケにするが、その嘲笑には暖かさを感じる。しかも、観るものを少し高い心の次元に誘導さえしてくれる!
主人公の劇作家、こんなに上手く話を書けるのなら、やはりこの人は喜劇にして正解だったね、と思わされる。なぜならその中味は、喜劇とはいえ、中途半端な悲劇よりよほど崇高だ、と思えるから。
3人のメインキャラをはじめとする俳優さんたちは見ているうちにどんどん好きになった。
時代の様子が色々わかるのもとても楽しい。
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