「必見の作品。」悪人 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
必見の作品。
初めてレビューします。
今年観た邦画の中では、「告白」「孤高のメス」と並ぶ秀作。
映画は、祐一と光代の愛の逃避行が軸となっているが、その他のエピソードあってこそ。被害者側、加害者側、それぞれのドラマが胸を打つ。孤独、哀しみ、もどかしさ等は誰もが心に抱え、誰かにすがりたい空虚な愛、希薄な人間関係、衝動的な殺人はまさに「今」を反映している。簡単に割り切れない人間の善悪についても考えさせられる。
それらを体現したキャスト全員のアンサンブル演技は素晴らしく、李相日も「フラガール」とは全く違う演出を見せてくれる。久石譲の音楽も余韻が残る。
モントリオールでの受賞も納得の、必見の作品。
コメントする
グレシャムの法則さんのコメント
2020年5月2日
近大さん
なんとこれが初のレビューだったのですか。なんだか近所に流れる川の源流を見てしまったような不思議な感動です。
この映画、初めて観ましたが、折りたたみ式の携帯電話以外、まったく古さを感じませんでした。
人の寂しさと、誰かの悪意が悪人を作ってしまうことがあるということについては、何年経っても変わらないということなのですね、きっと。