劇場公開日 2010年8月21日

「恋人関係を「育む過程」が出てこない恋愛映画。」ハナミズキ ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5恋人関係を「育む過程」が出てこない恋愛映画。

2025年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

カワイイ

オードリー若林の恋バナで一番好きなのは、
ヤンキー女子の元カノとのエピソード。
すでに芸人だったか、大学生だったかは定かではないが、
だいぶ属性の異なる、元ヤンで、化粧品売り場店員の女子に、
日々振り回されっぱなしの若林が、実に滑稽で面白いのだ。

読書家の若林が、待ち合わせ場所で本を読んでると、
「チッ、お前、小説読みながら待つな」と、舌打ちしながら彼女が登場。
「なんで?別にいいじゃん」と若林が言い返すと、
「小説読んでるアピールが、ハナについてムカつくから」と彼女に理由を言われる。

他にも色々とエピソードがあるが、
元カノはいつも気が強く、会話の随所にトゲと毒気があり、
必ず舌打ちがセットになっている。

この女性のどこがいいのだろうと思うのだが、
そんな元ヤン彼女との初体験ネタが、最も面白い。
ここだけの話、若林の初体験は、車の中の「カーチョメチョメ」だった。

昇天し、若林のDNAインゼリーが勢い余って、
元カノの頭上にまで跳躍する。
それを元カノは箱ティッシュを取り出し、拭きながらこう言うのだ。

「チッ、一丁前に頭まで飛ばしやがってよ・・・」

この映画は、高校生の男女の恋愛物語からスタートする。
片や早大に入れるほどの才女、片や漁師見習いの男子学生。

ひょんな事から出会い、恋人同士になる馴れ初めは、別にいいのだが、
趣味も違うし、価値観はもっと違うであろう、
学力差カップルの2人を結びつけるものが一体何なのか、
最初から最後までさっぱり分からないのだ。

共通の趣味が映画でしたとかでもいいし、
幼馴染で兄弟同然の関係で育ちましたでもいいし、
互いに親からネグレクト受けてましたでもいいし、
恋人関係を「育む過程」が全然出てこない。

イケメンと美女のルックス同士なんで、、、しか見いだせないのは、没入感的にちょっとキツイ。
まるで、中学生の恋愛のような動機で付き合いだしたカップルが、
オジサンとオバサンになっても、果たして両想いでいられるのかねぇ。

こういうちょっとした違和感が2時間ずっと続くのだ。
加えて、出会って離れてのタイミングが、ご都合主義の如くおとずれる。
作り話の恋愛物語を作り話っぽく撮りました感がずっと拭えない。

確かに生田斗真は、愛情深く思いやりのある男で好感持てるし、
確かに新垣結衣は、可愛らしくて守りたくなる存在なのだが、
それだけの要素で終始、押し通り願いますの強引展開なので、
暴飲暴食過ぎて胃もたれしてしまう。

胃もたれから意識が朦朧としながら思うのは、
そもそもこの二人は、なんで両想いなんだっけと、
根源的疑問の点滅ランプが付いたり消えたりしながら、
だんだん眠気が大きくなっていくのだ。

まぁなんだかんだ言っても、ガッキーが可愛いから3割増しの点数にしますけれども。
('ω')ノ

ソビエト蓮舫
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