「観客を不快にすることに成功している」告白(2010) ともきちさんの映画レビュー(感想・評価)
観客を不快にすることに成功している
観る者が不快に感じたとしたら、それこそこの映画の狙い通りなのではないか。
教室で起こっている現実の主人公には、それぞれに理由と事情がある。
それを「告白」という形で本音と裏側を見せる。
どれも実に利己的で残虐かつ醜悪だ。たった一人、おさな子を除いて…。
この映画を観て不快に感じるのは、根源的に悪を憎む心を持っているから。
それに気づかせることに最大の狙いがあるのだと思う。
善き人たれと一億回唱えるより効果がある。
もし、最後まで愉しくてワクワクしながら観ている人がいたとしたら…空恐ろしいね。
残念なのは、不快感即ち低評価になってしまってる人が少なからずいること。
それとドラマで十分だと勘違いしてる人。
こんな暗い描写の連続じゃ低視聴率間違いなし。しかも物議を醸す恐れが高い。どこも取り上げない。
これは、監督の思い入れで実現できる映画ならではのユニークかつ見応えのある作品だ。
コメントする