「映画の中に“暗”を描いて、魅せてくれる」告白(2010) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
映画の中に“暗”を描いて、魅せてくれる
おそらく、現時点での中島哲也監督作品の最高傑作だと思う。(異論のある人も当然いるだろうが)
これまでのカラフルでポップな作風は封印し、無機質で陰湿でシリアスな作風。
しかし、独特の演出や編集は健在で、この衝撃的な物語(学級崩壊、イジメ、家庭崩壊、モンスターペアレンツ、少年犯罪、復讐…)を一気にグイグイと見せる。
それにしても、この作品がここまで大ヒットするとは!
ある程度話題にはなると思っていたが、ここまでの大ヒットは予想出来なかった。
観客は“明”な映画だけではなく、“暗”な映画も求めているのだろうか?
映画の中に現実逃避だけでなく、それとは真逆の何かを求めているのだろうか?
でなければここまでヒットしなかったろうし、「冷たい熱帯魚」みたいな映画もヒットしなかったろう。(ただ、3・11後の現在では分からないが)
ほとんど無表情の松たか子は申し分なく、中学生たちも素晴らしいを通り越して、怖ろしい。
中島監督の次回作は「進撃の巨人」。
またこれまでとは違う題材だが、果たしてどう化けるだろう?
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