劇場公開日 2010年6月5日

「交じり合わない思いの中、勝手な言葉は「告白」になる」告白(2010) めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0交じり合わない思いの中、勝手な言葉は「告白」になる

2010年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

スゴイです、、、

「イマドキの中学校って、こんななの???
うううーーーー、、、 絶対コドモなんてほしくないーーーー!!!」
とトラウマになりそうなほど怖く、あまりにも殺伐としています。

個々を見れば、母親は子供を愛しているし、
子供だって親への愛情があるのに、
なぜか、それが、まったくクロスしない。
ものすごくバラバラで、
誰一人として、キモチが混ざり合わないのです。

そう、まさに「告白」。
会話、では決してないのです。

愛しているけれど、ものすごく身勝手、、、みたいな。

見終わったあとで、
「確かにすごい作品なんだけれど、
全体を通してのストーリーとゆうか、
ぶつかりあいとしてのドラマがないような…」
と思っていたのですが、
考えてみれば、タイトルが『告白』である以上、
それぞれの勝手な“告白”で作品が構成されていて“正解”なのだ、と。

この見終わってからの居心地の悪さも含めて、
中村哲也監督、やはり性格の悪い確信犯(←褒め言葉です)で、
すごいです。

また独特な映像が、怖さをいや増しています。

作品ごとに、色と質感で作り出す世界観も、すごいです、、、

原作は未読なのですが、ぜひ読んで、作品の感触の違いを感じてみたくなりました。

めぐ吉