劇場公開日 2010年6月5日

「不謹慎にも爽快感がありましたw」告白(2010) harizoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5不謹慎にも爽快感がありましたw

2010年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

難しい

おっそろし〜復讐劇なんだけどカタルシスがハンパないですw
(なんて自分の中の怖い一面を感じつつ、、、)

思ってた程、二度と観たくないようなサイコスリラーでもなく
子供の狂気を扱った重いテーマだけど、中島監督の手腕で
軽やかにファンタジックに魅せてくれて、それはもう
不思議にも嫌な話のはずなのに、興味深い面白さでした。

約7割近くハイスピードで撮影された映像で
切り取られた日常が、ながいプロモかCMのようでやっぱり
その手のプロとして画が美しい。
いつものポップな極彩色は抑えられて私は好きでした。
選曲もわざと楽しげだったり憂いあったりでサントラが
BGMとしても良さげで、とても欲しくなりました。

とにかく、他人はどうでも良くて相手を思いやる
気持ちや想像力が欠如しまくりの人たちばかりで、、、
そら寒いし緊張感もすごかった。

・子供を殺された教師が、復讐とはいえ他人の子を
 どん底に突き落とす狂気。

・母に注目されたい一心で暇つぶしに人殺しで有名に
 なることに憧れる狂気。

・いつでも人を殺せるけど、自殺する為に薬品収集しているの
 と上から目線の狂気。

・自分の子が人殺しでも、それは他人のせいであって一番
 かわいそうなのは我が子と思ってしまう親バカの狂気。

それぞれの「告白」は、とても自分勝手に正当化された
ものでした。

自分の歴史を振り返ってもやっぱ中学時代って一番残酷
だったと思うし、そのくせものすごく繊細。
近頃のイジメがどれくらい陰湿かわかんないけど、
今も昔も焼け野原にたたずんでるような子いますよね。
どうしてか、その鬱憤が自己処理できず他人に向けられて
しまう(子も少なくない)微妙なお年頃。
やっぱ私もこの頃には戻りたくないです。。。

娘を殺された森口先生(松たかこ)が淡々と語り始める
冒頭から犯人をオープンにした上で、あえて訴えず
復讐の宣戦布告。

「命の尊さ」を諭してダメなら、わからせるまで、、、って
その方法がいきなり境地を極めてて、かなりインパクトあり。
(いくらなんでも子供にはキツイだろーw)

ポスターになってるだけあって松さんの迫真の
冷たくいっちゃってる顔がホント見物ですw

なんかこの手の話の魅せ方としては斬新でした。

harizo