「原作未読のすゝめ」告白(2010) ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
原作未読のすゝめ
俺は心底、羨ましい。
原作を読まずに、これから映画館に足を運ぶ方々が。
あの原作の手触り、質感、匂いまでが表現(再現)されてるなんて、思いもしなかったし、不可能だと思ってた。
原作で感じた衝撃が、この映画でのファーストインプレッションだったら、どんなに良かっただろう…と劇中何度もほぞを噛んだ。
クライマックスで、観客席から悲鳴に近い感嘆の唸り声が上がった時、心底、実感した。
…それぐらいの仕上がりです。
参りました。
紛う事なき、傑作です。
主人公、森口に松たか子、犯人Bの母親に木村佳乃、ウェルテルに生田斗真。このキャスティング、正直最初はどうかと思ったけど、これも文句の付けようがなかった。全員素晴らしかった。てか違和感がなかった。
それに一番危惧してたこと。監督が中島哲也だってこと。
「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」…
あのノリでやられたら、カナリキツいな~と思ってました。ましてや、ミュージカル仕立てにでもされたら最悪だ、と思ってたけど…杞憂に済みました。
そんなバカな心配するんじゃなかった。
中島監督のテイストと、原作の世界観…見事に融合しています。
やっぱりこの人、天才ですね。
じゃあ、これだけ褒めちぎって何故満点じゃないのか?
それは何つーか…原作以上の衝撃は、やっぱり得られなかったからですねw
残念。俺、残念。
うん…やっぱ、原作未読を推奨します。
PS.あのラスト。あそこで、解釈が分かれそうですねw
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