「【”血。 そして、因果応報の極北の罪と罰” 】」告白(2010) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”血。 そして、因果応報の極北の罪と罰” 】
■劇場で鑑賞した際、余りの衝撃故に、暫く席を立てなかった作品。
原作は読了していたのであるが、中島監督の前作までのテイストを拭い払った、激烈な復讐劇の映像に戦慄した。
数多のホラー映画が、裸足で逃げ出す程の恐ろしさと、鑑賞後の嫌な感覚が、未だに忘れられない作品である。
・その感覚を醸し出す「レディオヘッド」の”ラスト・フラワーズ”の美しいメロディが凄惨な映像の背後で、抑制したトーンで流される様。
- トム・ヨークのあの透明で、リリカルな声は、近作で言えばリメイクされた「サスペリア」の背景で流された数々の楽曲が印象的であるが、ルカ・グァダニーノ監督は、今作から彼の楽曲の起用を思いついたのでは、と勝手に思っているほど、抒情的ホラー・テイストの作品に合っている。 -
・内容は、原作も含め巷間に流布しているので、言及しないが、彼の原作のダークな世界観を映像化した中島監督の手腕には、脱帽である。
・演者も、松たか子を始めとして、素晴らしい。(年齢的に、当時今作を観れなかった少年A.Bは今作を見て、どう思ったのであろうか・・。
特に印象的なのは、少年Aの唯一の理解者だった美月を演じた橋本愛である。
一般的には、彼女の女優としての名を高めたのは、「桐島、部活辞めるってよ」であるが、私は今作も「桐島・・・」に並んでいると思う。
<このような事を書くのは、稀であるが、もし今作を未鑑賞の方はお時間があれば鑑賞されることをお勧めしたい作品である。
但し、精神的に安定した状態である事が望ましい・・、と思います。>
あのラストはトリアー監督のある作品(ネタバレになるので映画名は伏せますが)と同様、ある種の爽快感がありました。ただ、同時にそのように感じた自分に罪悪感を持ったのも事実です。