劇場公開日 2010年5月1日

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「PRODUCTION IGが制作しているので、文句なしの出来。」劇場版“文学少女” aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0PRODUCTION IGが制作しているので、文句なしの出来。

2010年5月1日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

幸せ

PRODUCTION IGが制作しているので、作画、背景、演出など文句なしの出来。

思春期の男の子と女の子が織りなす太宰治的な死を絡めた物語の上に、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフにしているので、星空が度々出てくる。

冒頭の電車が川を渡るところでは、星空が川面に写し出されて、まるで銀河の中を通り過ぎいくように見える。

そして、一番の見せ場では、貸切のプラネタリウムに登場人物たちを集めて、文学少女・遠子先輩が語りはじめる。映画館のスクリーン全体に映し出される銀河の星々に、まるでプラネタリウムにいるような気分にさせてくれる。

虫の触覚のような長すぎる三つ編みの文学少女・遠子先輩と心やさしい主人公のコノハくんの二人だけの高校の文芸部。ポストに入れられていたヘンな鳥の絵が、コノハくんの封印していた過去の扉を開く。

乙女チックなキャラクターたちで、ラブコメなのかと思ったが、物語は昼ドラのようなドロドロしたもの(作品全体のモチーフが太宰治だからか)。愛と死をめぐる救いようのない話でも、最後は宮沢賢治の世界が奇跡を起こしてくれる。

爽やかや結末になってくれて、満天!

aotokage