「ウッディ・アレンの安定感」ウディ・アレンの夢と犯罪 ikuradonさんの映画レビュー(感想・評価)
ウッディ・アレンの安定感
「マッチポイント」「タロットカード殺人事件」に続く、ウッディ・アレン監督のロンドン3部作最終章。
喜劇作家として知られるウッディだけど、実は彼は自他共に認めるかなりの悲観主義者だ。だから悲しいコメディを撮る。この映画には悪意の破片がたくさん散ばっている。
「喜怒哀楽」とは、チェーンの鎖のように繋がっているのだと思う。そのチェーンが複雑に何本も絡み合い、ぐちゃぐちゃになって、コメディを産んだり、悲劇を産んだりする。そこにクラシックであからさまな音楽をつければウッディの映画になる。彼は現実を捉えているだけで、意図的に悲劇や喜劇を生み出そうとしているわけじゃないんだと思う。そこが彼の作品の安定感だ。
だけど、ユアン・マクレガーとコリン・ファレルの兄弟というのが、かっこよすぎる気が……。
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