「見た人と話がしたくなる一本」完全なる報復 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
見た人と話がしたくなる一本
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主演2人のクォリティの高い演技に最後までひきつけられました。
素晴らしい映画だと思います。
ただ、残念なのがストーリー展開。
タイトルが示すように「市民」が「法律」を逆手にとって復習を繰り広げていくところにこの映画のカタルシスがあるのに、途中から「市民」でも「法律」でも無い展開になってしまいます。もっと、知的な復習劇を期待していましたが、これはこれで、楽しめたから、まあ良かったです。
どうしても腑に落ちないのが、冒頭クライドが襲撃されるシーン。彼にあんな特殊能力があるなら、もっと違った展開になったはずです。
そしてラスト。
ラストは2人を対比して描くことでいろいろ考えさせられます。
クライドは、自ら死を選んだとも取れます。獄中にいて「事件」が起きていくことが市民を恐怖におとしめるとはいえ、クライドは独房に戻ってくる必要もないし、爆破をキャンセルする方法は必ず用意されていたはずなのに、それをしなかったからです。
そしてニックが娘の演奏会に出席するようになったことで、生き方を改めたことを描きたかったのでしょうが、もっと詳しく掘り下げて欲しかった。そうすることで、クライドが命がけで遂行した計画の本当の狙いが見えてきたのになあと思いました。
例えば、妥協することなく、犯人に応報の刑罰を要求する検察官になるとか。
とにかく、観た人と話がしたくなる映画です。
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