「静か」シングルマン れおさんの映画レビュー(感想・評価)
静か
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一人の中年のゲイ男性の人生の最後の一日を描いただけの映画というと、それだけですが
コリン・ファース演じるジョージが死ぬほど高いいい男のイギリス人教授というのが凄い。死に装束はウィンザーノットでじゃねえよクソ格好いい。
冒頭の行くことの出来なかった幻想の恋人との分かれから始まり、朝のシーンも凄く格好良くて心わしづかみにされる。
便器に座ってても格好いいんだからコリン・ファースはずるい。
仕事前は時間がゆっくり流れて、過去の回想だけ鮮やかで生々しくて!現実も今もとても空虚で音が遠い。ここで怖いのはジムが死んでなお人にキズを残していくタイプの魅力的な青年だというのが解る事。ジム怖い…。それが、秘書の唇や生徒の綺麗な瞳、スペイン人俳優の唇、色々な生に触れて世界がもう一度色づき始める。死のうと決めた日にどうしてこんなに恋のチャンスが?死の匂いを纏う中年がセクシーだからだよ!!!
自殺のためにああでもないこうでもないと格闘する中年もかわいい。
しかし悲しいかな、生きる意欲を取り戻した時には…って人生はままならねえよお…でもそれでもいまわの際にジムがキスをしにきたのは、ジムに会えたのは、望み通りだったのかな?
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